スポーツとしてのブレイクダンス 第2話
2024年のパリ五輪において正式種目に採択され、日本にもメダリスト候補がいるため注目されているブレイクダンスであるが、実は候補に挙がった段階からブレイクダンス
業界内でスポーツ競技化に関する意見が分かれていた。競技化賛成派の意見はもちろん「ブレイクダンスが大衆化され認知されることは良いことだ」というものだが、反対派の意見としては「スポーツではなくHIPHOP の文化である」、「ダンスがもつ表現の自由や芸術性が損なわれてしまう」、「スポーツとして評価基準を設けるのが難しい」などである。確かに、ストリートカルチャーの一部としてラップやDJなどと共に育まれてきたブレイクダンスが、果たしてスポーツなのかという疑問は筆者自身抱いていたものであった。ブレイクダンスの勝敗は技の難度だけでは決められず、音楽性、独創性など様々な要素を総合し、審判の主観で勝敗が決まるものである。採点基準が無く、評価が非常に曖昧なのである。オリンピック競技化に伴い審判の評価基準の公式化やルールの見直し等の動きもあるが、やはり他の競技と比較して異質なスポーツであることに変わりはない。しかし、筆者はスポーツとしてのブレイクダンスは大きな利点を有しており、特に地方におけるスポーツの活動として適正のあるものであると考えている。「表現の自由や芸術性を重んじるストリートカルチャー」であるブレイクダンスが持つスポーツとしての利点を記してみる。
まず、特筆すべきは競技人口の多さである。数あるストリートダンスのジャンルの中で最も人口が多く、世界中に普及しているダンスなのだ。ニッチな印象が強いブレイクダンスであるが世界的に見るとかなり国際化されたダンスであり、世界大会も開きやすくスポーツとして見た場合に大きな利点を持っている。
では、何故ブレイクダンスは世界で普及し浸透しているのか。その理由はある程度の場所の広さと音楽さえあれば誰でも取り組めるところにある。発展途上国のプレイヤーも舗装されていない野外で練習し、世界で戦っているという現状もあり、他のスポーツにある場所や地域的制約が殆どなく取り組むことができるのだ。言ってしまえば地方の公民館でも大会ができるスポーツである。それに加え、個人競技であるが故に一人でも十分に取り組むことができるというのも普及理由の一つだ。昨今の動画投稿サイトの普及によりブレイクダンスの情報はどこにいても入手することができ、尚且つ音楽とある程度の場所さえあれば良いため、始める敷居は他のスポーツと比較して圧倒的に低い。特に少子化が進む日本において、地方では人数が集まらずサッカーや野球の少年団が解散・合併が多く行われている中でこそ、ブレイクダンスは価値のスポーツになっていくと筆者は考えている。
このように、ブレイクダンスは競技としての課題や賛否こそあれど、スポーツとして大きな利点を持っており、特に地方で取り組むことにおいてはかなり適性のある競技であると言えるだろう。もっとも、文化としてのブレイクダンスを大切にしているダンサーたちも重要な存在であり、競技としても、文化としても、ブレイクダンスは多様性を享受できるものであるべきである。
ブレイクダンスインストラクター 佐橋 朋幸
名寄新聞2023年1月27日 掲載 Web掲載日2023年1月30日
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