隔週げつようび更新 楽しい絵本がいっぱい登場します!楽しくためになる絵本の世界をお楽しみください!
「ぼくのぱん わたしのぱん」 神沢利子 ぶん 林明子 え
わたしは幼少の頃から食いしん坊であった。その当時に出会ったのがこの絵本である。母は特に本が好きではなかったと思うが、どこから聞いてきたのか教育に良いと絵本を与え読み聞かせをしてくれた。
幼い頃は、近所に洒落たパン屋さんもなく、焼き立てのパンなど口にしたことがなかったので、この絵本を読んだ時には大興奮!主人公を自分にみたて、粉をふるったり、こねたり、丸めたり、生地に卵黄をぬったり…何度も何度もくりかえし、ページをめくっては想像した。どのページも好きだったが、一番のお気に入りは発酵した生地を指で押してガスを抜くところ(ポフッ!)。
そんなある日、母がどこから連れて来たのか、手づくりパンを作るおばさんがやって来て、本物の焼き立てパンを作ってくれたのである。パンの味も最高に美味しかったが、その過程を見ることができて夢のようだった。今でもそのパンの味を思い出すことができる。その後、母の思惑ほどは賢くならなかったが、おかげで本が大好きになった。
本を読むと、他人の人生を疑似体験できるし、様々な生き方や知恵を授けてくれる。本は人生を何倍にも楽しくしてくれるのだ。今こそ言おう。お母さん、わたしに絵本をたくさん読んでくれてありがとう。
福音館書店、990円、1981年発刊。
(山下久美子・風連読み聞かせの会)
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