隔週げつようび更新 楽しい絵本がいっぱい登場します!楽しくためになる絵本の世界をお楽しみください!
「おおきな木」 シェル・シルヴァスタイン 作・絵 ほんだ きんいちろう 訳
初めて読み聞かせをしたのは、30数年前の学生だった頃、授業の実習で同級生に向けて読んだ時でした。当時、悩みながら選んだ本が、今回紹介する『おおきな木』です。
まず作者が、詩人・児童文学作家・漫画家・歌手・演奏家・作曲家と多くの顔を持ち、町から町へと放浪生活を送り、時にはハウスボートに住み込み音楽三昧な日々を過ごす等、個性豊かでとても魅力的な方です。
物語は、全体的にモノクロでシンプルな絵の中、「むかし、りんごのきがあって、かわいいちびっこと、なかよし」とはじまります。
1本のおおきなりんごの木と1人のちびっこが織りなす様々な場面で、『りんご木』がとても表情豊かに描かれています。
例えば、駆け寄って来る『ちびっこ』へ、母親が子どもを抱き留める様に枝を伸ばし、幹によじ登る時は落ちないか心配そうに、遊び疲れて寝てしまった時には、そっと木陰を作って愛情深く見守るかのように…。
物語の後半で、大人になった『ちびっこ』は、自分の世界を広げるため『りんご木』の下を離れては、何かをねだる時だけ帰ってきます。そんな『ちびっこ』のどんな願いにも自分にできる最大限の方法を考え、見返りも求めず大きな愛を与え続ける『りんごの木』は、とうとう切り株だけになってしまいますが…。
ラストシーンで涙をこらえて読む自信がなく、まだ学校では読んだことがありません。『涙活・読み聞かせ』のような機会があれば、読めるかもしれませんね。
篠崎書林出版。1976年発刊。
(本村弘美・小学校読み聞かせボランティア)
Web掲載日2022年12月19日
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