【美深町】
美深町内の第3セクター、株式会社美深振興公社（代表取締役社長・山口信夫町長）と株式会社アウル（同・山口町長）は、2日付で統合。新会社の「株式会社美深振興公社」の設立総会が、1日午後5時半からびふか温泉で開かれ、定款や資本金の増資、営業計画などを承認。新会社の代表取締役社長は山口町長が就任した。
美深振興公社は、1980年11月に開業し、びふか温泉の運営をはじめ、びふかアイランドのキャンプ場などを指定管理。アウルは、92年4月に開業し、道の駅「びふか」の運営をはじめ、地元農産物の販売などを行ってきた。
両社は近年、利用客減少や赤字経営が続くとともに、コロナ感染拡大が影響し、厳しい経営状況に陥ったことから、経営効率化や経費削減などを図るため、2020年5月から組織改編に向けた協議を開始。同年11月には町による経営改善支援策として、公的部門の公費負担、人的支援による経営体制整備を図り、合併に向けた準備を推進した。
昨年4月に両社が合併覚書に調印、今年2月に合併公告を完了、3月22日に合併契約を締結。3月の町議会定例会では、町の資本金を2千万円増資する予算を可決した。7月2日付で両社は統合し、新会社の「美深振興公社」となった。
設立総会では、定款を一部改正。旧振興公社のものをベースとしており、目的の条文では①美深町から指定管理者として指名および委託等を受けた施設の管理運営②地域産業に関する商品の宣伝、あっせんおよび加工、販売③町内観光情報の発信―などを盛り込んでいる。
また、監査役の権限の範囲は従来、会計に関するものに限られていたが、新会社では経営についても加わっている。
取締役と監査役の選任では、旧振興公社の役員が全員留任し、代表取締役社長は山口町長が就任した。
資本金の増資では、旧振興公社の資本金3千万円、旧アウルの700万円と、合併後新たに2300万円を追加し、合計6千万円としている。
営業計画では、合併することにより、売り上げの活路を新たに見出すことや、経費縮減を絶えず検討することも、経営を進める上で取り組まなければならないものと考え、売り上げを伸ばす目標に向かって経費をどのようにかけるか、戦略として会社統合による販売先と販売品の拡大を積極的に展開し、計画の売上高を超えるよう取り組む。
経費は全般的に値上がりの状況にあり、既に仕入れ値が上がっているため、販売品は値上げの対応をしてきたが、再度全体を見渡し、提供価格の見直しを検討している。
設立総会を終え、山口町長は「経営は厳しいが、増資していただいたため、やり抜かなければならない。町民に理解、利用していただき、愛される施設になるよう努力していきたい。外販も含めて一生懸命やっていきたい」と語るとともに、現状の人手不足や人材確保が課題であることも挙げた。
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