日本最北端のクラーク書店中央店 惜しまれ6月末で閉店 利用者に感謝
市内中央2、㈱クラーク書店の中央店が、今月30日を以て閉店する。電子書籍やインターネット販売の普及を受け、売り上げへの影響が避けられずにいる。神田敏彦代表取締役は、これまで〝日本最北端の書店〟を利用してくれたことに感謝。営業最終日まで残り1週間を切り、1人でも多くの来店を歓迎している。
同社は、1984年7月に設立。雑誌や小説、絵本など約1万冊以上の書籍を扱う。同年9月、神田社長の前の経営者が、潮見4で建物を購入して開業。07年9月に中央店をオープンし、2店舗で営業していた時期も。
13年10月末に潮見店を閉店し、それからは中央店のみでの営業。近年はオンライン化が急速に進み、本を手に取り読む人が少なくなってきた。本を読む人のなかでも、ネットで購入する人が増え、書店利用が少なくなり、売り上げが減少し、やむを得ず閉店を決断。
2017年7月に神田社長が経営を引継ぎ長男の神田雅彦店長は「毎日があっという間だった。閉店が迫るここ数日は、月日の流れが早く感じる」などと振り返った。
神田店長は、常に先を読むことを意識。常連客が購入する本を見て、その作者の新作を並べるなど〝お客様の目線〟に立つことに努めた。「実際に考えて並べた本を買ってもらえると嬉しかったですね」と。家族連れが、アンパンマンなどのキャラクターが描かれた絵本等を購入し、喜ぶ子どもの姿も思い出の1つという。
閉店を惜しむ声も聞こえてくるとし、24日に訪れた市内の60代男性は週3、4回は利用する常連客。「小説全般を読むので、よく来ていた。閉店はとても寂しい。最後まで楽しく利用させてもらう」と話していた。
営業時間は最終日まで変更なく、午前10時から午後8時まで。市内や猿払村の小中高校の教科書取扱業務等は継続する。倉庫代わりとして現在も使用する潮見店の建物で、業務を行うとしている。
(原拓弥)
Web掲載日2023年7月3日
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