道北地方には名羽線(名寄~朱鞠内~羽幌間)、美幸線(美深~仁宇布~北見枝幸間)と、もう一つ未成線があった。オホーツク海沿岸にあった興浜線(興部~雄武~北見枝幸~浜頓別間)である。なお、美幸線は美深~仁宇布間が開業したが、1985年9月17日に廃止。名羽線は名寄~朱鞠内間が深名線の一部として開業するも、95年9月4日に廃止された。
興部~雄武間は興浜南線、浜頓別~北見枝幸間は興浜北線として部分開業し、その間の雄武~北見枝幸間の建設工事も進められたが、80年12月27日、国鉄再建法の施行により、興浜南・北線とも廃止対象となり、未開業区間の工事は凍結された。
鉄道存続を目指し、興浜線の第3セクター化、釧路から稚内までのローカル線を有機的に結ぶ「オホーツク本線構想」が打ち出されたが、実現することはなく、興浜北線は85年7月1日、興浜南線は同月15日に廃止され、南線と北線のレールは繋がらず、雄武~北見枝幸間は「幻の鉄道」に終わった。
今でも開業区間で一部の駅舎(待合室)、未成区間のうち雄武~北見音標間ではトンネルや一部の橋梁が残っており、跡形を見ることができる。
つまり、枝幸町内では美幸線と興浜線の二つの未成線を持っていたことになる。
ここでは興浜線の歴史を紹介していく。「枝幸町史」各巻、「雄武町の歴史」、「雄武町百年史」、森口誠之さん著「鉄道未成線を歩く国鉄編」(JTB発行)、鉄道ジャーナル1984年5月号「特定地方交通線の実態と問題を現地に見る(32)」、鉄道ジャーナル2018年1月号「幻の鉄路をたどる(20)興浜線」、廃線・未成線紹介サイト「廃線鉄道寮」(ホームページ、ツイッター)、日本鉄道建設公団「所管工事の概要」などを参考資料とした。
オホーツク海沿岸地域は明治になって開拓が進んだが、当時の交通機関は船舶であり、冬場は流氷に閉ざされ、他地域とのルートは寸断された。住民にとって高速性と安定性に優れた鉄道の実現は長年の夢だった。
宗谷本線(後の天北線)が1918年(大正7年)8月25日に浜頓別駅まで、22年11月1日に稚内駅(現在の南稚内駅)まで開業。また、名寄線(後の名寄本線)が21年10月5日、上興部駅から興部駅まで開業して全通となった。
それらの動きに合わせて、22年4月15日、改正鉄道敷設法の公布により、興部~浜頓別間の興浜線が予定線となった。
その後、沿線関係者が早期着工を求めて陳情、請願を繰り返したが、政府の予算不成立などが影響し、着工が遅れた。具体化の兆しが見えたのは、枝幸村長の滝本瑞竜らが上京陳情した29年(昭和4年)以降で、同年から鉄道省札幌工事局による測量が始まり、32年4月にルートが決定した。
33年6月、興部側と浜頓別側からそれぞれ着工。35年(昭和10年)9月15日に興部~雄武間(19.9km)が興浜南線、翌36年(昭和11年)7月10日に浜頓別~北見枝幸間(30.4km)が興浜北線として部分開業した。南線に沢木駅(雄武町)、北線には豊牛、斜内(以上浜頓別町)、目梨泊、問牧(以上枝幸町)の各駅が設置された。
残る雄武~北見枝幸間の着工を目指し、引き続き陳情や請願を行ってきたが、興浜南・北線が開業した頃には開拓も落ち着き、人口の伸びも鈍化した。さらに41年12月8日から太平洋戦争に突入したことが影響し、延長工事は棚上げにされた。
戦況が悪化するとともに、樺太(現・サハリン)に軍用鉄道を敷設することを目的として、44年11月1日、興浜南・北線とも不要不急線とされ、営業運行が休止されるとともに、レールも撤去された。その後、省営自動車(後の国鉄バス)による代行バスが運行された。
終戦直後の45年(昭和20年)9月、沿線関係者が政府へ復旧陳情を行い、同年中の復旧が決まった。レールが樺太に転用される直前に終戦を迎えたため、早くに復旧へ着手することができ、全道各地から作業員を募集してレールを再敷設し、45年12月5日、興浜南・北線とも営業運行を再開した。
その後、雄武~北見枝幸間の着工に向けて陳情、請願が再開されることになった。
(続く)
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