JR留萌本線の沿線4市町で構成するJR留萌本線沿線自治体会議の第8回会合が、21日午前9時半から空知管内秩父別町の町役場2階講堂で開かれた。JR北海道は、4市町に廃止・バス転換を求めている留萌本線の深川―留萌間（50・1キロ）について、石狩沼田―留萌間（35・7キロ）を来年3月末で廃止、残る深川―石狩沼田間（14・4キロ）は令和8年3月末まで存続後廃止する案を示した。4市町はそれぞれで対応を検討する方針だ。
昨年2月に秩父別町内で開かれた第7回会合では、JRから深川―留萌間（50・1キロ）について「部分存続は難しい」との考えが示された。併せて、留萌市を除いて空知管内沼田町と深川市との間の部分存続を求める深川市、秩父別町、沼田町の3市町が、JRと協議を進める方向でまとまった。その後、担当者レベルで協議を重ねた。
今年最初の会合には、留萌市から新型コロナウイルス感染のため欠席した中西俊司市長の代わりに渡辺稔之副市長、深川市の山下貴史市長、秩父別町の澁谷信人町長、沼田町の横山茂町長が出席。オブザーバーとしてJR北海道の萩原国彦常務、船林恭地域交通改革部長、道の宇野稔弘交通企画監、留萌振興局の榎波潤記地域創生部長、空知総合振興局の白石俊哉局長が同席した。
協議は冒頭を除いて非公開で行われ、終了後に山下深川市長ら3首長と渡辺留萌市副市長が報道陣に対応。会合では、萩原常務がこれまでの担当者レベルでの協議などを踏まえて留萌本線の今後に関して4点を提案。1.石狩沼田―留萌間は来年3月末で廃止 2.深川―石狩沼田間は令和8年3月末まで存続して廃止 3.深川―石狩沼田間の存続に必要な費用はJRで負担し、廃止後の代替交通も支援 4.4市町の振興につながる支援金を支払う用意がある―との内容だった。 JRの萩原常務は、石狩沼田―留萌間の廃止から3年後に深川―石狩沼田間を廃止する案について「高校生が日常的に利用しているほか、バス会社が運行する台数などを判断するため」と説明。また、石狩沼田―留萌間の代替交通に関しては「すでにバスが運行しており、連携や調整が必要」との考えを示した。 深川市、秩父別町、沼田町の3市町は、通学や通勤で利用する住民がいることから、存続を目指して協議を重ねてきた。横山沼田町長は「存続を願っていたので、厳しい提案となったことは残念だ」と述べた。また、山下深川市長は「深川―石狩沼田間が有用な公共交通機関であるという考えは変わっていないが、実務者レベルで協議し、それを踏まえた提案だった」、澁谷秩父別町長は「重要な区間であるが、JRには譲歩してもらった」とそれぞれ語った。 一方、留萌から沼田までの間の廃止はやむを得ない―との態度をすでに示している留萌市。渡辺留萌市副市長は「新たなマチづくりへの支援、代替交通が示された。提案を受け止め、市長と対応を検討したい」と話した。 JRの提案を受け、4市町は理解を求めるため住民への説明などを行う考え。その後、再び会合を開いて結論を導くことにしている。なお、次回の協議日時や場所は未定としている。
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