スタントマンが事故再現、JA・道警が下川商業高で自転車交通安全教室、恐怖直視しルールの大切さ実感
【下川】
JA共済連北海道、北海道警察主催の下川商業高校(濱下昌也校長、生徒88人)を対象とした「自転車交通安全教室」が、15日午後1時35分から同校グラウンドで開かれた。プロのスタントマンによる交通事故の再現によって、その衝撃や恐怖を直視させる「スケアード・ストレイト」という教育技法を取り入れ、ルールやマナーの重要性を伝えた。
濱下校長は「本校でも過去に、自転車に乗った生徒同士の接触事故が起きた。交通安全に意識を高め、事故のない社会に取り組んでいこう」。JA北はるかの小林治雄代表理事組合長は「下川商業高生の自転車通学率は非常に高い」。名寄警察署の米村和信署長は「今回の教育技法は、警察官も見られる機会が少なく、直視で危険を実感する機会。命を懸けた教育を一生懸命見て学んでほしい」と挨拶した。
実技講習はシャドウ・スタントプロダクション(東京都)の関係者6人が実施。時速40㌔の自動車に激突した自転車がつぶれる衝撃シーンから始まり、自転車のルール違反や危険な乗り方を紹介。引き続き実際に起きた事故を再現した。
車道走行原則の自転車が、歩道を徐行せずに走行して歩行者と衝突。見通しの悪い交差点で一時停止や左右確認を怠って進み、右から来た自動車と衝突。自転車が横断歩道で停止した自動車の側方を止まらずに追加し、横断中の歩行者と衝突。大型トラックによる左折の自転車巻き込み事故。自転車同士がマナーを守らず衝突し、乗っていた人が車道に投げ出された瞬間、後続の自動車にひかれる。無灯火同士の自転車が互いを認識できない状態で、一方が車道左側走行を守らず逆走して正面衝突―といったさまざまな場面を、体を張って見せた。
生徒を代表して板野颯さん(2年)と村瀬朱さん(2年)が、シーンの一部と同じ場面で、事故を防ぐ行動を実演。車道左側通行、標識に従い一時停止、安全確認などルール・マナーを守ることで、事故を回避し、その重要性を再認識した。
野崎藍来生徒会長(3年)が、米村署長に自転車安全利用宣言を行い、ルール・マナーの厳守を誓った。
伊藤律夢さん(3年)は「スタントマンの再現を通し、自転車が大きな事故につながることを実感した。これから気を付けて乗ろうと思った」と振り返る。
名寄新聞2023年6月17日 掲載 Web掲載日2023年6月19日
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