留萌市は、9日午後６時半から市中央公民館講堂でＪＲ留萌本線に関する市民向けの説明会を開いた。7月21日に開かれたＪＲ留萌本線沿線自治体会議の第8回会合で、JR北海道が示した来年3月で留萌本線の石狩沼田―留萌間を廃止するなどの提案内容を解説。市民からは、来年3月の廃線は時期尚早との声が多く挙がった。中西俊司市長は、結論を出すために「今月中に自治体会議を開きたい」との考えを示した。 同会合では、JRから
- 石狩沼田―留萌間は来年3月末で廃止
- 深川―石狩沼田間は令和8年3月末まで存続して廃止
- これらの廃止時期をセットで合意
の3点を提案。併せて、深川―石狩沼田間の存続に必要な費用を負担し、廃止後の代替交通の支援、4市町への支援金を支払う用意があることなども示された。 説明会には、市民28人や市議会議員5人が出席。中西市長は、冒頭のあいさつで「沿線の4自治体で残したいとの思いで国とも協議をしながら、ようやくここまで来た」と強調した。 市地域振興部の海野聡部長がJRの提案内容を説明。併せて、代替交通の確保に関しては、沿岸バス株式会社などが運行する留萌旭川線の存続支援、予約制乗り合いタクシーの導入による留萌―深川間の早朝や夜間の交通手段確保、旭川市内への快速便新設などをJRや交通事業者を協議していることを話した。 続いて、株式会社エフエムもえるの米倉礼子さんの進行で、中西市長が「JR留萌本線と今後のまちづくり」をテーマにトーク。 JRの提案への受け止めについては「最終段階に来たと感じる」、国による支援での維持では「一言で難しい。道路網の整備、バス会社の維持が必要と判断した」、今後のJRとの協議は「峠下から石狩沼田までの間の敷地、施設をどうするかを含めて協議したい」とそれぞれ答えた。 代替交通に関しては「留萌旭川線については、高規格幹線道路を活用して1時間半くらいで行けるようにしたい」、JRからの支援金の活用手段、廃線となった場合の跡地も含めた周辺の利活用では「支援金は、留萌駅前ににぎわいをもたらすために使いたい。周辺の利活用は、アウトドア観光を目指す拠点とするほか、市民が憩える場所にしたい」、廃線が決まった際イベントとして「留萌本線の歴史が分かり、記憶に残るものにできたらと考えている」とそれぞれ語った。 出席した市民からは「来年3月の廃止は早急だ」との声が相次いだ。中西市長は「少しでも長く持たせたいが、JRのダイヤの問題もあって3月末が一つの区切りになる」と強調。結論が出る見通しについては「9月の市議会で報告したいが、今月になって空知の3市町で市民説明会が開かれ、考えがまとまると思う。今月中に沿線自治体会議を開きたい」と述べた。 また、代替交通の確保に関して「事業者の現状を認識した上で議論すべきだ」、「しっかり協議して良い方向に進めてほしい」との意見があった。中西市長は「人手や化石燃料の問題があり、事業者と協議して進めている」、「利用して残すことをみんなで享受しないと、事業者もやっていけなくなる。行政として、市民に乗ってもらうことを考えたい」と話した。
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