障がい者と共に生きる 社会福祉法人なよろ陽だまりの会施設長 長谷川まゆみさん
名寄新聞社通信員 金子
「なよろ陽だまりの会」は、障がいのある人たちの職業と生活を支援することにより、「働く喜び」と「地域に生きる力」を育み、自ら社会参加をして自活することを目的に活動している会です。
施設長を務める長谷川まゆみさんは、定年まで小学校の教師として働いてこられた。在職中に障がいのある子どもたちの学級を担当していたことがきっかけで、定年後は障がい者支援の仕事をすることになる。
支援の会は「地域共同作業所 陽だまり」から始まり、「名寄手をつなぐ育成会」となり「名寄心と手をつなぐ育成会」へと名称を変更し、 NPO法人を経て今は「社会福祉法人 なよろ陽だまりの会」という大所帯になった。育成会を引き継いでNPO法人になるまでに1年、その後、社会福祉法人になるまでに7年かかった。決して楽な道のりではなかったと思うが、長谷川さんは常に前向きにパワフルに活動を続けてこられた。
長谷川さんは当初「名寄手をつなぐ育成会」の会員(会員は障がい者の家族などで構成)と共に活動していたが、平成18年にその会の会長を引き継ぐことになった。当時は会員3名、障がい者7名という小規模な会であった。活動にはお金がかかったが、最初は資金が少なく自分の退職金を使って運営にあたっていたそうだ。
だが、その状態では職員さんにも給料を出せず、障がいのある人たちが働いた賃金さえ出せなかった。そこで、今後活動を続けていくには支援金が出るNPO法人になる必要があると考え、申請書を出すが、書き方も分からなかったため、何回も審査に落とされたという。それでも長谷川さんは決してあきらめなかった。障がいのある人のためになるのだから、何とかしなくてはいけない―という思いが深かった。

パソコン持参で振興局を訪れ、そこで親切な職員に教えてもらいながら申請書作成に何度も挑戦したそうだ。まる1日かかり、その日の夜8時にやっと申請書が通りNPO法人になることができたと聞く。
図書館の隣にある「陽だまり」ではたくさんの障がいのある人たちが働いている。名寄市指定のゴミ袋の製袋作業や高齢者施設への配色サービスや弁当・オードブルなどの分野がメインとなるという。
障がい者にとって一番必要なことは「経済的な自立」だと長谷川さんは語る。それができると、それに伴って身辺・社会・精神の方の自立もできてくる。だからこれからの支援者の課題も「どういう風にすれば仕事内容の質が上がり、より良い仕事ができるか」だそうだ。そこをクリアできれば、陽だまりで働いている障がいのある人たちの賃金も上がり自立を助け、やりがいにもなる。
長谷川さんは今81歳。定年後もこの障がい者支援の仕事にずっと走り続けてこられた。しゃきしゃきした立ち居振る舞いや話し方から、強い信念を持って仕事をされてきたことがよく分かる。陽だまりの運営する全ての施設を毎日まわって、障がいのある人たちの働く姿を見守っているという。お話をお聞きしている間も何回も携帯電話に着信があり、きびきびと対応されている。本当にお忙しい1日のようだが長谷川さんは「楽しくやっている」と、さばさばと話す。
長谷川さんご自身の子育ての間は、近所の方たちにたくさん助けてもらい、支援の仕事をするようになってからも地域のいろいろな方に助けられてきたという。会が畑をするために農家さんは土地を提供してくれるし、たくさんのボランティアの方、会員さんなどが支援の手助けをしてくれていると。「名寄の人達は本当に親切で思いやりがある人ばかりですよ」といろいろな方にお世話になってきた感謝を何度も口にされる。
陽だまりを利用する障がいのある人たちの「やる気」が、いろいろな方の理解を得て、支援者の輪が広がってきて今の仕事も増えてきたのだそうだ。たとえば食堂を開いても、最初は全くお客さんが来なかった時期があった。その時にはそこで働く障がいのある彼らが自ら家族に電話をして呼び、客としてカレーを食べてもらったそうだ。
その後、次々と家族が来て知人が来てという具合に、食堂に食べに来てくれる人の輪が広がっていったという。農場で作った野菜も彼ら自ら引き売りをして売りに歩いた。臆することなく一軒一軒の玄関先に立ち商品を見せて販売した。こうして「陽だまり」が大きくなれたのも、ここで働く障がいのある人たちの頑張りがあったからこそで、彼らの力が人の輪を広げていったのだと強調されていた。
人間はお互いに助け合いながら生きていくもの。障がいのある人が差別を受けることのない「みんなが助け合える共生の社会」を作りたいから日々頑張っている―と力強く話す長谷川さんの顔は今日も輝いている。

社会福祉法人 なよろ陽だまりの会 陽だまり 住所:北海道名寄市大通り南2丁目2番地 TEL:01654−3−1221
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