【名寄・美深】
2022年度の春の褒章が決まり、本紙管内から2人が受章する。名寄市東4北8の統計調査員、北出幸一さん(79)と、美深町西3北1の元統計調査員、下吉孝夫さん(83)が、統計調査功績で藍綬褒章を受けることが決まり、2人の功績がたたえられた。
北出幸一(きたでこういち)さん。1942年12月、名寄市生まれ。統計調査員となったのは69年。なり手が少ない中、市から誘いを受けたのがきっかけで、今年で53年目となるベテラン調査員だ。 これまでの調査経歴をみると、4年に1回実施される国勢調査の11回をはじめ、北海道農業基本調査17回や農林業センサス4回の他、住宅統計、経済センサス、商業統計、工業統計など幅広い分野で数多く行い、市内の調査業務に大きく尽力している。 これらの功績が評価され、2016年に総務大臣表彰、18年に北海道社会貢献賞を受賞した。 今回の受章は、国勢調査を主とした長年の功績をたたえたもので、北出さんは「調査員となった当時はスムーズに調査できて活動が楽しみだった。だが、現在は個人情報の関係から警戒されることが多く、ドア越しで説明してから調査協力していただいている」。 また、近年は共働き家庭が多いことに伴って留守が多く、「昼夜問わず何度も足を運ぶことが増えた」などと苦労を振り返る一方で、「それが調査員の務めだと思っている」とも話す。 活動で心掛けてきたことでは「正確な調査をするために理解していただくことを大切にしてきた」。受章の知らせを受け、「このような章をいただけるとは夢にも思わなく光栄。家族や関係者などの協力に感謝するとともに、辛抱強く続けてきた自分を褒めてあげたい」と話した。 下吉孝夫(しもよし・たかお)さん。1938年9月、美深町の生まれ。恩根内中学校を卒業後、家業の農業(畑作・酪農。後に酪農専業)を手伝い始めた。 農家の先輩に誘われて、65年から統計調査員を務めた。 酪農を営みながら後に恩根内自治会役員となり、自治会長も務めた。その傍らで国勢調査や農業センサスなどの各種統計調査に従事。2015年の国勢調査まで担当した。 統計調査員としての活動で「こんなに長い間できたのも、家族はもとより地域の皆さんの協力、関係機関のアドバイスがあったからであり、感謝している」と振り返る。 近年は個人情報保護の関係で、特に市街地では調査活動の難しさもあるが「郊外なので、調査に理解していただいていた。活動での苦労は少なく、非常に協力していただいていた」。 また「皆さんとも普段から顔を合わせている方ばかりだった。自治会長もやらせていただいたので、地域の隅から隅まで親しくさせていただいた」と思い起こす。5年前に美深市街地へ移ったが、現在も恩根内の住民たちと顔を合わせる機会は多い。 褒章の知らせを受けて「皆さんの協力があって、今回の受章になったと思う。皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです」と笑顔で語っていた。
名寄新聞4月29日付掲載 Web掲載日5月2日
道北の求人情報
名寄新聞を購読希望の方は
名寄新聞 購読料のご案内通信員募集のお知らせ道北ネット ビジネスデータ トップページに戻る