名羽線は、羽幌炭砿の石炭輸送をメインとして計画されていたが、他にも地下資源や森林資源、農地開発、観光などの経済効果が期待されていた。
広報はぼろ1961年(昭和36年)7月号に「名羽線と羽幌町」と題して経済効果が記されている。
要約すると、地下資源は当時、沿線に石炭25、亜炭1、石油3、砂金・白金35の合計64の鉱区が設定され、推定埋蔵量は10億tといわれた。そのうち石炭は苫前炭田に5億t、雨竜炭田に1億tの合計6億tが眠っていた。
羽幌炭砿は60年に76万tの出炭量(築別炭砿、羽幌本坑、上羽幌坑の合計)だったが、当時はエネルギー革命によって石炭から石油へ移りつつあった時代で、会社では合理化計画を立てる一方、年間110万tの出炭目標を掲げていた。
ただ、輸送能力の限界を超える目標値だったため、名羽線の必要性は高く、開業すれば、羽幌炭砿から年間170万tの出炭も可能となった。さらに、朱鞠内側の幌加内炭砿でも開発計画を進めることにしていた。
森林資源は当時、羽幌側だけでも285万立方mの森林があり、60年度で4万9千立方mの木材を生産。開業後は年間5千立方m増産できることに加え、沿線から少し離れた地帯で生産し、名羽線で輸送することになる木材も含めると、さらに3万6千立方m増産も見込まれた。一般材と合わせて、紙パルプ生産のため製紙工場の誘致も狙っていた。
70年11月2日の羽幌炭砿閉山後だったが、羽幌港の拡張整備と合わせて、重要産業路線として大きく浮かび上がると期待された。農地開発は当時、羽幌町内の農耕地が2153ha(水田953ha、畑1200ha)だったが、開業によって農耕適地が8100haも開拓されると見込んだ。
また、当時の農業人口は713戸2927人だったが、名羽線の開業をめどにまとめた「羽幌町奥地開発計画」によると、新しく260戸1560人の入植が可能とされ、営農内容は飼料作物800ha、そ菜150ha、果樹150ha、採草地520ha、放牧地4170ha、薪炭林650haなどで、これらの年間生産高は3万1千tとした。さらに、めん羊4万頭、肉牛800頭、耕馬260頭、ヤギ520頭、鶏2600羽の導入を計画していた。
朱鞠内側でも開業後、北海道開発局札幌開発建設部による「空知北部特定地域開発計画」で1万3千haの農耕適地開発を進めることにしていた。
なお、森林、農地開発の範囲は羽幌町内の上羽幌、中の二股、白地畝、幌加内町内の奥朱鞠内が想定されていたと思われる。
観光では開業後、朱鞠内湖と天売島・焼尻島をはじめ、羽幌前浜の海水浴場、天塩山地の最高峰ピッシリ山(登山)も含めた観光圏構築とともに、名寄を中心に道北内陸部からの海水浴客輸送を狙っていた。
構想で終わったが、炭鉱、農林業、観光などの開発実現へ夢を乗せようとした名羽線。もし開業していれば、どのように推移し、輸送の規模によって、地域振興や経済活性化につながったのか気になるところだ。
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