下川町の佐野さんが、小さな林業「さの木屋」開業

【下川町】

町内旭町在住の佐野圭司さん（53）が1日、重機を使わない小さな林業「さの木屋」を開業。「『自分の森林や庭を自分で手入れをしたい、活用したい』という方に、林業経験を生かして手作業の範囲でサポートします。草刈り、枝打ち、伐採、玉切り、まき割りなど全て任せていただいてもよいですし、伐採など、大変な作業をこちらに依頼して、他は自分でしていただく形でも構いません。切った木は燃料の他、日曜大工の材料にも生かせます。道具の使い方、選び方も教えます」と話す。

佐野さんは1968年、大阪府堺市生まれ。15歳で単身、北海道に渡り、名寄農業高校を卒業。滝上町で酪農に携わった後、林業のグリーンワーカーとして、和歌山県美山村森林組合に13年間勤務。その間に林業班長を務めた。

結婚後、佐賀県の森林組合でも森林作業員として勤務。「木こりコンテスト」伐倒部門で準優勝する腕前だったが、長年の作業で膝や腰などを痛め、45歳で一度引退。看護学校に通い、5年間、病院で看護助手や看護師として働いた。

「天井でふさがれていない青空の下、体を動かして働きたい」との思いを捨てきれず、2018年に下川町へ移住。町内の森林組合で、再び森林作業員を務めたが、自分のできる範囲で仕事をしよう―と退職。

庭木や小規模な私有林の手入れなど、小さな仕事を担う事業を立ち上げた。

「森が元気になり、運動や気分転換になり、切った木も有効に使える“一石三鳥”になるような森林の手入れを提案したい。日常の中に、森林を取り入れるきっかけを手伝えたらと思う。町内には森林組合、個人林業、まき製造販売など多様な形の林業がある中、こぼれ落ちる小さな個人の部分を補っていきたい」と語る。

開業早々、個人私有林の伐採、木工に使う丸太の玉切り、庭木の手入れなどを行った。

下川で料理と子育て中心の暮らしを送りながら、金・土曜日に営業。

見積もりは無料とし、詳細は、携帯電話（080-2742-1830）へ問い合わせるとよい。

名寄新聞4月20日付掲載　Web掲載日4月25日

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