【下川町】
長野県から移住した菊島永詞さん(35)、優里花さん(28)夫妻が、町内三の橋で鈴木和夫さん(60)、淳子さん(58)夫妻の営む放牧酪農「鈴木牧場」を受け継ぐため、同牧場で新規就農の実習を重ねている。来年11月1日に牧場を受け継ぐ予定だ。
鈴木牧場は、町を見下ろせる丘の上で、2000年10月に開業。昼夜放牧の循環型酪農経営を目指し、牧草生育と牛の採食量のバランスを考え、短草維持に務めている。生産した生乳は、町内の矢内菓子舗で販売するプリンなどにも使われる。
和夫さんは昨年還暦を迎え、65歳までに牧場を次世代へ受け渡して引退しようと後継者を探し、同年9月、町農林課にもその意思を伝えた。その直後、放牧酪農ができる場所を求めて農林課に問い合わせたのが、菊島さん夫妻だった。
永詞さんは山梨県出身。東京都内でマーケティングのリサーチ業務に携わっていたが、起業を考えるようになり、放牧酪農に興味を持った。山梨に戻って酪農ヘルパーを務めながら、試験的にジャージー牛や羊を放牧して飼い始めた。
優里花さんは福島県出身。植物が好きで、花屋での勤務を経て山梨でガーデナーを務めていたところ、永詞さんと出会った。 牛や羊の世話を手伝ううちに、放牧酪農に興味を持ち始めた。
2人は結婚。長野県の農業大学校で酪農職員として働きながら就農場所を探したが、本州では見つからず、酪農学園大学名誉教授の講演を聞き、北海道も視野に入れた。
そこで、鈴木牧場で後継者を探していることを知り、「就農場所が分かった上で研修でき、牛やノウハウも引き継ぐことができる」と手を挙げた。
菊島さん夫妻は5月2日付で地域おこし協力隊に就任し、1歳10カ月の長男を連れて下川へ移住。鈴木牧場に通いながら朝晩の搾乳、牛舎の作業、放牧準備など日々の仕事を実習している。
牛舎なども改修し、就農に向けて準備を進めており、優里花さんは子育てと両立しながら、けん引と大型特殊の免許を取るため、自動車学校にも通った。
和夫さんは「皆さんの協力で続けてこられた牧場を途絶えさせたくなかった。引き継いでもらうことで、町への恩返しができる。こんなに早く後継者が見つかるとは思わなかったが、この機会を逃してはならないと思い、決断した。菊島さん夫婦は将来の希望を持ち意欲がある」。
淳子さんは「経営を生きたまま、引き渡せることが重要。永詞さんは既に経験もあり、学ぶ意欲も感じ、安心して任せられる。優里花さんもさまざまな変化を楽しめるので、向いていると思う」と菊島さん夫妻に期待を込める。
永詞さんは「鈴木さんからノウハウを吸収し、悪条件と思われがちな傾斜地で、しっかりやっていけることを示していきたい」。優里花さんは「一つ一つが新鮮で面白い。特に放牧酪農は自然との関わりもあり、変化があって楽しい。植物と共通点も感じる」と話し、2人は「地域に開かれた存在になって、継承しながら続いていく牧場を目指したい」と語る。
名寄新聞6月18日付掲載 Web掲載日6月27日
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