隔週げつようび更新 楽しい絵本がいっぱい登場します!楽しくためになる絵本の世界をお楽しみください!
「私の名前は宗谷本線」作・荒尾美智子 絵・堀川 真
本書は、昭和30年代の子どもたちの暮らしを描いたシリーズものの一冊です。そのうち、私たちにとって身近な宗谷本線沿線を舞台にしたものには、私が絵を描かせていただきました。
東京からいらした作者の荒尾さんの取材に同行しています。剣淵の米農家さん、筬島駅の駅長の息子さん、美深の酪農家さん、蒸気機関車の機関士さん。北海道で暮らす私たちにとっていとおしいエピソードが、作中にたくさん盛り込まれています。
制作にあたっては、こんなことがありました。みんなで晩秋のごちそうを食べる場面としていただいたテキストの中に、あまり聞きなれない「かぼちゃのミルク煮」なるものがありました。
おやと思って荒尾さんに確認したところ、それは北海道の材料でつくれる料理として彼女が創作したものだったのです。
一方で荒尾さんは、かぼちゃ団子やいも餅をご存知ありませんでした。制作の裏側ではこんなこともあるのです。
思えば私たちだって、ちょっと昔の東京の子どもたちが何を食べていたかを言いあてられません。私たちの普通は、私たちにおいての普通なのであって、それはお互いに尊重されるべきものといえるでしょう。
そして、雪虫、オンコの実など、私たちにしか通じないものがあることが、その土地の豊かさを示していると私には思えるのです。
最後になりますが、本作品の絵本原画展が大学図書館にて来年1月12日まで開催されています。どうぞお気軽にいらしてください。
あすなろ書房、税込価格1980円。
(堀川真・名寄市立大学教授、絵本作家)
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