防ごう！心不全！

防ごう！心不全！

名寄市立総合病院 4階西病棟看護師　夏坂 由祈、藤垣 寧々

心不全は心臓が悪いために息切れやむくみが起こりだんだん生命を縮める病気です。

心不全の治療では薬物療法・運動療法・食事療法・セルフモニタリングを続けることが重要ですが、その他にも日常生活の心がけでより悪化を防ぐことが出来ます。

▼日常生活で心がけてほしいこと

1．便通を整える

心不全になると利尿剤の内服や水分制限による体内水分量の変動、食欲不振による食事量減少、活動量の低下により便秘が起こりやすくなります。便秘による排便時のいきみは心臓への負担となります。まずは食物繊維の多い食事をとったり、適度な運動を行うことが大切ですが、それでも便秘が続く場合は内服薬で排便コントロールを図る必要があります。

2．入浴の方法

入浴のタイミングは空腹時や食直後は二重負荷となるため、避ける必要があります。

また、脱衣所や浴室を温め温度差をなくし、寒冷刺激による血　圧の変動（ヒートショック）を防ぎましょう。お湯の温度は40～41度、お湯の量はみぞおちくらいまで、入浴時間は10分以内が心臓への負担が少ないとされています。

3．禁煙

「急性心不全・慢性心不全診療ガイドライン」では喫煙はあらゆる心疾患の危険因子であり、心不全において禁煙により死亡率や再入院率を低下するとされています。喫煙は喫煙者だけでなく、周囲の人にも影響を及ぼします（受動喫煙）。禁煙外来もありますので必要に応じて、医師や看護師に相談してください。

4．節酒

「健康日本21」では節度ある適度な飲酒量を純アルコールで1日平均20ｇ程度としています。過度な飲酒は生活習慣病の悪化や心臓への負担となります。また、飲酒時におつまみを食べることは塩分過多にも繋がるため節度をもって楽しみましょう。

5．ストレスとの付き合い方

ストレスは生きていくうえでなくなることはありません。そのため上手に付き合っていくことが大切です。心配事や不安なことがある場合には身近な人に相談したり必要に応じて医師や看護師に相談してください。

6．感染予防

インフルエンザワクチンや肺炎球菌、新型コロナウイルスなどの感染症は心不全の増悪因子の一つです。これらのワクチン接種を定期的に行うこと、感染症予防のために手洗いやうがい、手指消毒を行うことが大切です。

7．冬季の過ごし方

お正月のおせち料理は塩分が多く含まれています。塩分過多は心不全を増悪させるため、食べる量に注意して楽しみましょう。また、名寄市は積雪量が多いため冬の除雪が避けられません。しかし、除雪は心臓への負担が大きいため一度にしようとせず、休み休み行うなど工夫して行いましょう。

心不全は1人で管理することが難しく周囲の協力が必要不可欠です。住み慣れた場所で暮らせるよう地域で支え合っていきましょう。

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