下川のばん馬生産に終幕
長年続いた下川町のばん馬生産は、2020年1月4日に幕を閉じた。
町内三の橋の及川章さん(当時91歳)は、妻の喜子さん(当時87歳)に支えられ、町内で唯一、ばん馬を飼い続けていた。しかし、高齢のために世話が困難となり、この日、愛馬「春竹姫」(雌)とその子馬を手放した。
及川さんは、小学校時代から80年にわたって馬と共に過ごした。8年前に足を痛め、50年続けた種雄馬の飼育をやめ、健康維持の運動にと繁殖用雌馬のみ飼い続けた。次女の悦子さん(当時61歳)も4年前から一緒に住み、喜子さんと支えた。
最後まで飼い続けた「春竹姫」は、生まれる際、母馬が命を落とした。近所の生産仲間の迅速な判断で、免疫抗体を受け継ぐ「初乳」を死んだ母馬から絞り出し、春竹姫へ飲ませた。及川さん夫婦は3時間ごとにミルクを与え続け、喜子さんが春竹姫の母代わりとなった。
やがて「春竹姫」に最初の子が生まれた。その子馬は生まれて間もなく、仕切りをくぐって小屋から出てしまった。出産直後の母馬からは大量の初乳が出て、子馬も乳を飲むことを覚えるそうだが、その機会を失いかけた。子馬に母馬の乳を飲むことを教え、なんとか覚えさせたそうだ。

春竹姫は最初の子馬を育てた後、子馬のできない年が続いたが、2019年5月30日、4年ぶりに出産。下川町で子馬が生まれるのは久しぶりで、地元にとっても明るい話題となった。
及川さんらは昨年も、春竹姫を受精しなかったと思い込み、種付けへ出したが、預け先で受胎を確認。直ちに戻し、予定より2週間早い出産となった。
子馬は自力で立ち上がれず、人が手伝った。早産の心配があったが、2日後に自力で起き上がれるようになり、スクスクと育った。
喜子さんは「朝起きたら突然、2頭になっていた」。悦子さんは「子馬は最初、自分が近づくと逃げていたけど、2、3カ月すると近づくようになり、うれしかった」と振り返る。
馬の親子の姿が、道行く人の目を和ませた。
及川さんは馬の世話をするのが難しくなり、馬の親子は滝上町へ引き取られていった。
町内のばん馬は、及川さんの手放した馬で最後となった。
だが、及川さんの牧場には、馬がもう1頭、放牧されている。それが筆者の飼う和種馬のハナ。及川さんご一家の支えがあって、筆者も馬を飼うことができ、感謝の気持ちでいっぱい。
下川町の馬文化を、次の世代へつなぎたい。
<今回は名寄新聞の2020年1月19日付掲載記事を基に再構成しました>
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