【名寄市】
名寄ひまわり基金法律事務所の7代目所長に、札幌弁護士会所属の西田真理子弁護士(52)が8月1日付で就任する。6月6日から同事務所に赴任しており、引き継ぎ記者会見が26日午後0時半からホテル藤花で行われ、西田弁護士は「親しみやすく訪れやすい事務所づくりに力を注ぎたい」と抱負を語った。
日本弁護士連合会では、全国の弁護士が拠出する「ひまわり基金」制度を1999年に創設し、弁護士過疎地域に「ひまわり基金法律事務所」を設置。現在、道内には11カ所が開設されている。
名寄ひまわり基金法律事務所は、2004年4月に開設。19年8月から菊地顕太弁護士(34)が6代目所長を務めている。
西田弁護士は1970年6月20日、室蘭市の生まれ。父親の転勤で道内各地を回り、旭川市などに住んだ。北海道大学法学部を卒業、北大公共政策大学院を修了後、道職員となり、後志支庁(現・後志総合振興局)で勤務し、生活保護や税務などを担当した。
その後、派遣職員やアルバイトを経て、北大法科大学院を修了。2019年、司法試験に合格。司法修習を経て、昨年1月から札幌市内の「すずらん基金法律事務所」で勤務。今年6月6日、名寄ひまわり基金法律事務所に赴任し、8月1日付で所長に就任する。
引き継ぎ記者会見では、西田弁護士、菊地弁護士をはじめ、日弁連の松尾泰三副会長(徳島弁護士会所属)、北海道弁護士会連合会の坂口唯彦理事長(札幌弁護士会所属)、旭川弁護士会の池田めぐみ会長らが出席した。
西田弁護士は赴任に当たって「大学院で地方の過疎問題を研究していた。自治体の福祉政策を学ぶ中で、法律家によるサポートが足りないと感じた。例えば、要介護のお年寄りが成年後見人をつけることが必要となった場合、身近に相談する場がないという地域に行ったことがあり、そういった仕事ができれば」と、地方勤務への思いを語った。
後志支庁での勤務時に「借金を抱えている方に会い、債務整理が必要な方もいて、弁護士になって問題解決することができれば―と思った」と、弁護士を志望するきっかけを振り返った。
派遣職員、アルバイトでは、さまざまな職種で働いており、社会人経験を業務に生かしながら「歴代の所長は福祉関係の方と交流を深め、障がい者支援に参画し、熱心に活動に取り組んでおり、そういった活動を継続できるよう頑張りたい」。
8月から所長に就任することになり「18年続いている事務所で、私が7代目の所長となるが、絆を大切にしながら事務所を運営したい。弁護士事務所は敷居が高い―と言われるが、敷居を取り除いて、親しみやすく訪れやすい事務所づくりに力を注ぎたい」と意気込んでいる。
現所長の菊地弁護士は「名寄をはじめ、近隣市町村からも相談を受けており、件数はかなり多い印象。数多くの依頼に応えるために頑張ってきた。一件一件、相談をいただいて誠実に対応、説明して、地域に貢献できた部分はあると思う」と振り返った。
任期終了後は札幌市内の法律事務所で勤務する。
名寄新聞6月28日付掲載 Web掲載日7月4日
道北の求人情報
名寄新聞を購読希望の方は
名寄新聞 購読料のご案内通信員募集のお知らせ道北ネット ビジネスデータ トップページに戻る