美幸線は工事凍結までに総額で132億7300万円の工費が投入されたが、全くの無駄金になってしまった。
1975年度(昭和50年度)から78年度までの当初予算では毎年、A線の興浜線(工事計画区間=雄武~北見枝幸間)は1億5千万円、名羽線(朱鞠内~羽幌間)は6億5千万円に対し、美幸線(仁宇布~北見枝幸間)は10億円と、全国でもトップレベルの予算が投入された。
しかし、79年度(昭和54年度)は10億円を予算計上するも凍結。80年度以降はゼロとなり、レール敷設や駅舎建設などを残した段階で工事が凍結された。
新線建設工事は、もともと国鉄で施工していたが、幹線の輸送力増強(複線電化、ルート切り替えなど)に追われ、ローカル線の整備は遅れていた。
自民党政調会長で後に総理大臣となった田中角栄は、地域格差是正のためローカル線を積極的に建設する必要性を指摘。「鉄道はやむを得ないことであるならば赤字を出してもよい」と断言した。
62年(昭和37年)3月ごろから新線建設専門の組織を設立しようとする動きが浮上。62年12月には圧力団体の「鉄道新線建設促進全国協議会」が発足した。
国鉄財政と鉄道建設費を切り離すため、新たに特殊法人を設立し、政府が財源を保証することによって、新線建設の進捗を上げることを狙いとして、64年(昭和39年)3月23日、日本鉄道建設公団(鉄建公団)が発足した。
鉄建公団は新線建設工事と国鉄への完成路線貸し付け業務が中心で、国鉄では建設路線の施設や用地などを鉄建公団に譲渡し、工事局の人員を移籍させた。
開業までの流れとしては、路盤や施設、設備工事は鉄建公団の手で行い、完成後、AB線(地方開発線・地方幹線)は無償で、CD線(主要幹線・大都市交通線)は有償で国鉄に貸し付けて開業させた。
つまり、鉄建公団が工事を完成させると、国鉄は開業を引き受けるという関係で、これによりA線の美幸線のうち美深~仁宇布間は64年10月5日に開業した。
なお、北海道内の工事線は大半がA線で、C線は追分線(南千歳~追分間)、紅葉山線(紅葉山=現・新夕張~占冠間)、狩勝線(占冠~新得間)の3線を統合した石勝線(南千歳~新得間)だけであった。
ローカル線の赤字や幹線の輸送力増強費用がかさんだことが影響した。67年(昭和42年)10月、赤字路線廃止の方針を決め、国鉄総裁の諮問機関「国鉄諮問委員会」は68年9月、全国の純ローカル線など「赤字83線」を答申。そのうち道内は15路線で、美幸線も該当した。
廃線反対運動もあり、実際に廃止されたのは72年(昭和47年)までに全国13路線、道内では根北線の斜里~越川間(70年12月1日廃止)、札沼線の新十津川~石狩沼田間(72年6月19日廃止)の2路線にとどまったが、その裏で鉄建公団は新線建設工事を続行した。
一方、国鉄は貸し付けられた完成路線の開業を引き受けていたが、それが重荷になっていたとのことで、既存路線も含めて赤字が積み重なり、国鉄財政の悪化を招いた。
国鉄の負債は大きく膨らみ続け、運輸省は79年度の新線建設予算を凍結。79年度末には累積赤字が6兆円、長期債務は13兆円に上った。
鉄建公団は79年7月、地方開発線と地方幹線41路線を4グループに分類。実現不可能そうな路線の工事を中止し、重点路線に資金を集中させることを狙った。
その結果、道外の15路線は工事が再開されたが、A線の美幸線、興浜線、名羽線、芦別線(工事計画区間=芦別~納内間)、白糠線(北進~足寄間)の道内5路線は凍結されたまま未成に終わった。一部開業の白糠線(開業区間=白糠~北進間)が83年10月23日、興浜北線(浜頓別~北見枝幸間)は85年7月1日、興浜南線(興部~雄武間)は85年7月15日、美幸線(美深~仁宇布間)は85年9月17日に廃止された。
なお、鉄建公団は特殊法人改革の一環で運輸施設整備事業団と統合し、2003年(平成15年)10月1日、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)となった。
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