食物と薬物の相互作用侮れない健康への鍵
㈱名薬調剤センター 名寄調剤薬局 薬剤師・心不全療養指導士 佐藤 隆太郎
ハーモニーを奏でるオーケストラ。その繊細で神秘的な響きは聴く者を心の底から惹きつけます。しかし、一瞬の乱れがその美しさを壊す危険を孕んでいます。薬の世界もまさにこのオーケストラのような存在です。一見、理解するのが難しく、微妙なバランスが求められます。
まずは服薬の量。これは体調や体質によって調整する必要があります。もちろん、これは医師の専門的な判断によるもので、多すぎても少なすぎても薬の効果を最大限に発揮することは難しくなります。
そして、服用後の薬の旅。体内に入った薬は、吸収され、分散し、代謝され、最後には排泄されます。これらの過程を通じて薬の効力が発揮されるのです。それぞれのプロセスがスムーズに機能すれば、体内の薬の濃度は一定に保たれ、期待する効果が体験できます。まさにこれが薬の奏でるハーモニーといえるでしょう。
しかし、この完璧に見えるハーモニーは崩れることもあります。薬の服用を忘れたり、服用量が不適切だったり、さらには他の薬の影響によって、それぞれの過程がうまく機能しなくなると、体内の薬の濃度が変化し、その結果、薬の効力が十分に発揮されない、あるいは副作用を引き起こす可能性が出てきます。
このように、薬の世界は一見複雑で理解しきれない部分もあるかもしれません。しかし、薬の微妙なバランスを理解し、適切に管理することで、安全に、そして最大の効果を享受することができます。
毎日、目覚まし時計の合図で一日が始まり、朝食を摂りながら日々のルーチンが始まります。その中には病気の治療や予防、健康維持のための薬の服用も含まれているでしょう。しかし、その薬を飲む瞬間、あなたは服用する薬と同時に食事との関係性について考えたことがありますか?
薬と食物の相互作用とは、食物が薬の効果や吸収を変えてしまう現象を指します。この現象は、思いがけない副作用を引き起こしたり、薬の効果を強化したり弱めたりするため、我々の健康に深く関わる重要な問題です。
例を挙げてみましょう。皆さんが愛飲するジュースには、柑橘類の女王、グレープフルーツが含まれていることがあります。しかし、このグレープフルーツは体内で薬を分解する酵素の働きを阻害し、薬の濃度が上昇することが知られています。その結果、予期しない副作用が引き起こされることがあります。特に高血圧治療薬やコレステロール低下薬、一部の抗精神病薬を服用している心不全の患者さんは、グレープフルーツとの相互作用に注意が必要です。
もう一つ、抗凝固薬のワーファリンについて考えてみましょう。この薬は血液が固まるのを遅らせる働きがありますが、ビタミンKと相互作用することがあります。ビタミンKは血液凝固に必要な成分で、これが多い食べ物(例えば、納豆・クロレラ・緑黄色野菜)を摂取すると、ワーファリンの効果が弱まる可能性があります。全ての「血液サラサラの薬」が納豆などとの相互作用を起こすわけではないのですが、ワーファリンについてはそのような注意が必要です。
これらの相互作用を適切に管理するには、専門家からのアドバイスが重要です。処方箋をもらったときには、食事との相互作用について必ず尋ねてみてください。
あなたの医師や薬剤師は、あなたの健康を最優先に考えてくれる専門家です。
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