サンルダム建設決定 下川町が25年がかりで運動 16年間で480億円投入 1993年度予算の大蔵原案 地域経済への効果期待
国の1993年度(平成5年度)予算の大蔵省原案が92年12月21日、内示された。北海道開発庁が新規最重点事項に上げ、また下川町が長年の懸案としていたサンルダムの建設が正式決定した。当時は2008年完成、総事業費480億円を予定していた。
サンルダムの建設事業は、95年7月に環境影響評価手続きが完了し、同年8月に基本計画が告示。98年4月には建築物移転などの損失補償基準妥結が調印された。
99年から付け替え道路工事に着手したが、サンル川にはサクラマスが遡上(そじょう)し、自然への影響も懸念されるため、2003年5月から06年12月まで20回にわたって天塩川流域委員会が開催された。
08年4月、付け替え道路の一部区間が供用開始。同年6月には基本計画が変更され、工期終了が08年から13年に延期、事業費は530億円から528億円となった。
09年10月、国のダム建設事業見直しにより、ダム堤体建設工事の入札手続きを取りやめ。12年10月に付け替え道路が全線開通し、同年11月には事業継続が決まった。
13年5月、基本計画が再び変更され、工期終了が13年から17年に延期。基礎掘削工事に着手した。
14年に堤体建設工事の契約締結、15年にダム本体コンクリート初打設、16年8月に定礎式、同年9月には3回目の基本計画変更で、工期終了が17年から18年に延期、事業費は528億円から559億円に増加した。
17年11月、本体コンクリート打設が完了。同年12月には4回目となる基本計画変更で、事業費は559億円から591億円に膨らんだ。
18年6月から試験湛水(たんすい)を開始。19年2月に試験湛水が終了し、同年3月に竣工式、同年4月から運用開始した。
ダム完成により洪水調節や水道水確保などが期待されたが、建設では自然環境への影響を懸念して反対運動も起こり、紆余曲折をたどった。
Web掲載日2022年12月22日
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