友好都市締結10周年記念事業 稚内市民訪問団が枕崎へ 鉄路の絆をより深く 歓迎交流会や観光地を視察
稚内市と鹿児島県枕崎市が友好都市を締結して今年で10周年。記念事業の一環で、工藤広市長を団長とする稚内市民訪問団38人が29日に稚内空港を出発。鉄路で30日に枕崎市入り。レセプションなどで枕崎市民と交流を深めた。日本最北と九州南端の市民同士が〝絆〟をさらに深め、この関係を長く続けていきたいと思いを強くした。
稚内からは市民訪問団として工藤市長、岡本雄輔議長、中田伸也稚内商工会議所会頭、中場直見稚内観光協会会長、二階堂浩幸稚内コンカツプロジェクト推進協議会実行委員長のほか、一般市民や市内高校生などが参加。フジドリームエアラインズ（FDA）の稚内チャーター就航10年を記念し、稚内空港から鹿児島空港まで緑色の機体で移動し、初日は鹿児島市内で宿泊。
30日は観光地の長崎鼻を視察したあと、列車で西大山駅から枕崎駅に移動。到着時、枕崎市民100人が訪問団一行をお出迎え。鹿児島弁で「いらっしゃいませ」の意味の「おじゃったもんせ」の横断幕が掲げられ、歓迎ムード一色に包まれていた。 最高気温24・2度と夏日に迫る暖かさ。枕崎市内を観光し、お魚センターでカツオを焼くなどし、昼食で枕崎鰹船人めし、自分達で焼いたカツオのたたきを堪能した。火之神公園では「火の神乙女太鼓」が計4曲を披露し、稚内市民が実際に太鼓を叩く体験も。明治蔵では、芋焼酎「さつま白波」の工場などを見学し、焼酎が出来るまでの工程などを学び焼酎等を購入するなどしていた。
夜は、花渡川ビアハウスで歓迎交流会。枕崎市の前田祝成市長が「友好都市が締結してから、関係団体が積極的に交流を進めてきたことで充実した10年間を過ごさせて頂いた。さらには、青少年の交流が毎年のように重ねられるなど、色んな世代で稚内市と枕崎市がお付き合い出来ていることを嬉しく思う」と挨拶。続いて工藤市長が「鉄路の北と南の端に駅があることで結ばれた縁であるが、次の20年、30年とこれからもこの関係が続くことを願ってお邪魔させて頂いた。今後も皆さんと末永くお付き合い出来ることを願う」と述べ、前田市長に「北防波堤ドーム」の木製模型を手渡した。
鏡開きのあと枕崎市議会の永野慶一郎議長の乾杯で祝宴。さつま揚げやぶりの味噌焼き、さつま白波など鹿児島や枕崎の料理に舌鼓。アトラクションで鹿児島水産高校「かつお捌き隊」による解体ショー、かつお節削り大会などで交流を深めた。
市民訪問団の樫山昭一さん（78）は「お互いの土地を行き来する関係はとても良いこと。この繋がりが、末永く続いてほしい」と笑顔。来年度に計画する枕崎市での青少年交流事業に向け、稚内の高校生6人（稚内大谷、稚内各3人）が現地の文化などを肌で実感。大谷高1年の浜谷楓希君（16）は、想像以上に歓迎してくれたことで、これまで関係者達が築いていた絆を強く感じ「これからもこの関係が続いてほしい。来年、青少年交流事業に参加したいと思う」などと述べた。 31日は「砂楽」で砂蒸しを体験したほか、特攻平和会館などで観光。希望者限定のオプショナルツアーで仙厳園、城山展望台なども巡った。1日にFDAチャーター機で帰路についた。
（原拓弥）
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