隔週げつようび更新 楽しい絵本がいっぱい登場します!楽しくためになる絵本の世界をお楽しみください!
「かちかちやま」 おざわとしお 再話 赤羽末吉 画
私は小学校の朝読書の時間をもらって月1回、絵本の読み聞かせに行っています。
いつも年の始め、今年はなんのテーマでいこうかなぁと思いながら絵本を選びます。
アイヌユーカラの絵本、戦争の絵本、大好きな韓国の絵本、外国の作家の絵本などなど…。
今年は日本昔話にしました。まよいなく1回目は「かちかちやま」にしました。
うさぎ年、2年生、ちょうどいい!
絵本を持って教室へ。
「かちかちやま」を知っている人?と聞いたところ、なんと34人中2~3人でした。
「えっ!」びっくりしました。
他の昔話も聞いてみたが「きいたような…」と。
そうか、子ども達はきちんとした昔話を伝えられていないんだなぁーと思いました。
読み始めると “たぬきじる”“おばあさんころされちゃうの”“ばばじる”“えっ!ほね”と次々と声が聞こえてきました。
「かちかちやま」は、たぬきにおばあさんを殺されたおじいさんが、うさぎの知恵をかりて仕返しをする物語です。
子ども達にとって驚きの前半でした。
読んでいくうちにすっかりお話の中に入って最後にたぬきがどろ舟で沈んでいくのを受けとめていました。
“でもちょっとたぬきがかわいそう”という声もありました。
昔話も今は教育的配慮で殺されなかったり、敵同士が仲良くなったりと少しずつ変えられているお話もあります。
児童文学者で昔話を研究している小澤俊夫氏は「それでは本来の昔話が子ども達に伝えようとしている事があいまいになり、安易な方向にいっている」と記しています。
赤羽末吉氏のあのにくらしいたぬきの絵もいいなぁと。
私は二人の描く昔話の世界が大好きです。
本来の昔話の本を手に取って子ども達に伝えてほしいと思うこのごろです。
田村悦子(名寄本よみ聞かせ会)
Web掲載日2023年4月13日
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