1966年7月29日、朱鞠内側からも着工したが、68年9月4日、国鉄の「赤字83線」に深名線が含まれ、もし廃止されれば名羽線の建設工事もストップするため、廃止反対運動を展開したが、今後の工事続行へ暗雲が立ち込める事態が羽幌側でも起きた。
戦後、築別炭砿と羽幌本坑、上羽幌坑の3鉱区となった羽幌炭砿の年間出炭量は、50年の年産16万tから10年間で5倍に伸び、56年に54万t、60年に86万t、61年に101万tとなり、ピークの68年には113万tを達成した。
石炭から石油にエネルギー転換される中、国の「スクラップ・アンド・ビルド政策」によって合理化を進め、羽幌本坑の運搬立坑完成(65年6月)、ソ連から最新の掘進機導入など、中小炭鉱ながら大手と肩を並べた。
だが、築別炭砿東坑では、64年からベルト大斜坑の掘削を開始するも、大量の泥水噴出が原因となり、67年2月に中止。出水が酷く深部開発を断念し、新区画での採炭が困難となったため、69年3月末で閉山した。
一方、築別炭砿西坑では、断層とぶつかり、思うように採炭できなくなり、経営が悪化。坑内状況悪化に伴うコスト高が影響し、70年6月末で休山したため退職者が続出した。
羽幌本坑と上羽幌坑に集約したが、石油へのエネルギー転換の影響も大きく、羽幌炭砿鉄道株式会社は70年9月2日、会社更生法を申請し、70年11月2日に閉山。30年間の総出炭量は1540万tで、3千万t以上の埋蔵量を残してヤマの灯は消えた。
羽幌炭砿鉄道(築別~曙~築別炭砿間)も70年12月15日で廃止された。
非営業線として有償で貸し出され、石炭輸送に使用してきた名羽線の曙~三毛別間は日本鉄道建設公団に返却された。
選炭場や貯炭場(ホッパー)、運搬立坑などの炭鉱関連施設をはじめ、学校、病院、商店、アパートなどもあったが、現在は廃墟となっている。
羽幌炭砿閉山により石炭輸送の目的はなくなり、名羽線建設の意義が薄れたため、工事中止の噂もあったが、71年度以降も当初予算が計上され、工事は続行した。
一方、新たな役割として、羽幌港の拡張整備が行われ、大型船舶の入港が実現すれば、不凍港の羽幌港と道北の内陸部を名羽線で結ぶことで、水産品や原木、石油など化学工業品の移輸入、段ボール中芯など軽工業品、合板類、農産品などの移輸出が可能となり、名羽線は物流を支える重要産業路線として浮上することに期待をかけた。
建設工事の当初予算額の推移は下表に示したが、債務負担行為によって予算の積み増しもあり、実際には当初予算額以上となった。例えば72年度は5億9千万円、73年度は7億600万円、74年度は7億8700万円、75年度には10億円まで増額された。
76年に第7中の二股(300m)、第3白地畝(410m)、77年に第8二股(678m)の各トンネルが完成。残すところ幌加内町・羽幌町境界の苫竜トンネル(3225m)とその付近7kmほどの路盤工事などが未着手だった。一帯は天塩山地のピッシリ山(標高1032m)に近く、険しい地形である。
全線開業の時期は当初、68年に予定されていたが、全国各地で新線工事が行われていたため、予算配分が抑えられたことや、豪雪地帯で施工可能な時期が限られていたため、工事の進捗が遅れ、70、75、77、80年とずれ込んでいた。
羽幌町では、羽幌炭砿鉄道の線路敷地を買収。将来は鉄建公団に買い取ってもらい、名羽線の工事区間に編入してもらおうと考えたが、公団は関心を示さず、曙~羽幌間(16.4km)の工事実施計画が認可されることはなかった。ただ、着工対象区間としては朱鞠内~曙~羽幌間(51.2km)とされていた。
国鉄は赤字決算が続き、膨大な負債を抱えていたことが問題とされ、運輸省は79年度のローカル線建設予算を凍結。名羽線の当初予算額も内示されていたもののゼロとされ、80年12月に工事は凍結された。
(続く)
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