乳幼児の腎臓検査を報告、名寄市病の松本技師・道病院学会優秀演題に初選出

今回の学会（7月16日開催）は新型コロナウイルス感染防止のため、ＷＥＢで開催。加盟する病院から一般演題105題の報告があり、この中から優秀演題10題が選出された。

優秀演題に選ばれた松本さんが報告した演題は「1カ月健診での腎超音波検査で発見された疾患群の検討～スクリーニングで発見された水腎症以外の疾患群について～」。

生後1カ月の乳幼児の水腎症を見つけるための同検査だが、「腎臓が片方しかない」「肥大、萎縮している」など別の疾患も散見されるため、水腎症の陽性基準を見直した検査の重要性や早期発見・対応に一定の効果があることなどを示した内容。

松本さんは「2002年から1カ月健診の中で腎臓の超音波検査を行っているが、全国的には少ない」とした上で、「2014年から2021年までの7年間で3521人を検査した。このうち、134人が陽性者基準に該当していたが、水腎症以外の腎疾患も発見されたため、基準を見直し、医師などと連携して早期発見、対応できるものとし、乳幼児の検査に意味があることが確認できた」と話す。

優秀演題選出については「初めての報告でもあり、選ばれると思っていなかった」と感想を述べ、「小児科医師と連携して基準を見直し、検査データを蓄積できたことが優秀賞につながったと感じている。今後はさらにデータを蓄積し、基準見直しも含めて違った視点も持ちながら継続していきたい」と抱負を語った。