ふるさと・子ども夢プロジェクト クラリネット奏者　郡さんが講話と演奏を披露 稚内高校1年生へ挑戦する気持ちを大切に

東京稚内会（小坂輝雄会長）と市教委の連携による「ふるさと・子ども夢プロジェクト」の一環で11日、稚内高校で、稚内市出身で音楽家、クラリネット奏者の郡尚恵さん（東京稚内会会員）による講演会を開催。1年生143人に、経験談を基に充実した高校生活を送ってほしいと伝えたほか、合間にはクラリネット演奏で和やかな雰囲気を感じさせた。

稚内の子ども達が夢と希望を持ち、逞しく成長してほしいと願いを込め8回目。 郡さんは「稚内発パリ行き～自分への挑戦、そして若者に捧ぐ」と題し講演。生まれ育った稚内、留学先のフランスで過ごした人生。故郷の魅力をクラリネットの音色に込め「宗谷岬」を演奏した。

4歳からピアノをはじめ、中学生の頃にクラリネットと出会い〝一目惚れ〟。先生らの勧めもあり、札幌で本格的なレッスンを受けた。高校時代は寮生活で1人の時間が多く「平日は4時間、土日は8時間レッスンをやっていました」と。 進学した音楽大学では競合する学生が多い中で「負けず嫌いな性格。生き残るためにオーディションやコンクールに力を入れた」とし、世界各国からオーディションで選抜される「パシフィックミュージックフェスティバル」に3度目の挑戦で合格。また、仏留学を通じ「フランスは国全体が芸術で文化や伝統を守っている。日本は色んな文化を取り入れて情報が溢れている」と、他国を自らの目で見る大切さを伝えた。

さらに生徒達に「アンテナを常に張り、可能性は自分で決める。三日坊主でも良いので興味あることに挑戦を」とエールを送った。 このほか、複数の曲を演奏し、ピアノ奏者の白岩章江さんや、生徒、教員との共演で美しい音色が響いた。 郡さんは稚内で生まれ港小、南中、北星学園女子高校音楽科、国立音楽大学卒業。桐朋学園大学研究科を経て渡仏した経験を持つ。 講演会は12日に稚内南中、13日に稚内大谷高校でも開いた。

（梅津眞二）