初野駅、恩根内駅「廃止やむなし」 美深町 自治会から報告受ける 今後、JRと最終決定へ バスで町内の足確保へ
【美深】
JR北海道では、利用が極端に少ない無人駅の廃止を検討している。美深町内では、初野駅と恩根内駅が廃止対象とされているが、両駅周辺の自治会からは「駅の廃止はやむなし」との報告を美深町が受けていることを明らかにした。町では今後、JRと協議し、最終決定することになる。
JR北海道は、1日平均の乗車人員が3人以下の無人駅は廃止する方針を示しており、存続させる場合は沿線自治体による維持費用の負担を求めている。
JRの調査によると、初野駅の1日平均乗車人員(調査年度を最終年とする過去5年間の平均値)は2018年に3.8人、19年に3.2人だったが、20年は2.2人、21年は1.6人と減少し、基準を下回っているため、JRでは初野駅が廃止対象であることを町に伝えていた。
今月末までに存続または廃止で結論を出し、回答することになっているが、初野駅周辺の吉野、斑渓、富岡の3自治会からは「廃止はやむなし」との報告を町で受けていた。
今年4月から高校生1人が初野駅から通学しているが、その通学生を除くと利用がほとんどないとのこと。その保護者からも「一人のために存続は忍びない」と廃止はやむを得ないことを町で聞いている。
恩根内駅の1日平均乗車人員(同)は18年に1.6人、19年に0.8人、20年に0.2人、21年は0人だった。
恩根内駅は21年3月のダイヤ改正で廃止される予定だったが、地域の要望により一転して存続となり、21年度から美深町が維持費用を負担し、地域で環境整備、除雪している。
23年度は町予算に173万3千円を計上。恩根内自治会への管理業務委託料34万8千円、JRへの維持管理負担金124万1千円、光熱水費12万9千円、し尿くみ取り手数料1万5千円を負担している。
しかし、利用者が少なく、近年は列車通学生が見込まれないとともに、駅の構内が広く、除雪作業が負担となっており、恩根内自治会からも「廃止は致し方ない」との報告を受けていたことから、町では今後、JRと協議して最終決定する見通し。
初野駅、恩根内駅とも将来的な廃止が濃厚となったが、名寄~恩根内間では名士バスによる路線バスの他、美深~恩根内間では美深町のスクールバスが運行しており、バスにより町内の足を確保していく。
名寄新聞2023年7月12日 掲載 Web掲載日2023年7月15日
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