名寄市立大学社会保育2年 たき火や夜の森林探検 コロナ対策緩和で団体活動復活 下川・美桑が丘に2泊3日のキャンプ
【下川】
名寄市立大学社会保育学科の2年生45人が、23日から2泊3日で下川町南町の「美桑が丘」に滞在してキャンプを行った。同学科の宿泊を伴うキャンプは4年ぶり。
同学科では美桑が丘で、1年生時に季節ごと(春、秋、冬)に日帰りキャンプを重ね、2年生時に2泊3日の夏季キャンプを実施。自然の中で感性を育み、将来の保育活動への糧としている。講師は町内を拠点とするNPO法人森の生活(麻生翼代表)が務める。
4年前からは新型コロナウイルス感染症対策を徹底し、可能な範囲でデイキャンプのみ実施。各学年を四つに分け、時間をずらして個別にマスク着用で活動したが、今年は宿泊や飲食、団体活動ができるようになった。
今年の2年生は昨年の個人活動で、たき火も枯れ枝などを集め、まきを割って並べ、マッチを使って火をおこすなど、個々の力を育んできた。今年の団体活動に生かし、今回、朝昼晩の調理は全てたき火で行った。
1日目は午後から美桑が丘入り。同丘管理棟周辺に寝泊り用テントを設営。7グループに分かれて行った夕食の料理対決では、「無水カレー」を作ったグループが優勝した。
日が暮れると暗闇の森林内で謎解きを組み合わせた肝試し。学生がいくつもの問題を配置し、互いに驚かせ合いながら謎を解いた。
学生は「この森林には何度も来ているけど、夜の探検は初めて」と振り返る。
2日目は午前4時半から朝食準備。食事の後、選択制でグループに分かれ、川遊び、スワッグづくり、たき火、昼食のピザ作り、同丘のフィールド整備、五味温泉で入浴、夕食作りを楽しみ、夜は全員でキャンプファイヤーを行った。
学生リーダー(6人)の内、齊藤香暖(かのん)さんは「昨年の個人活動は各自の力で達成することに必死だったが、だからこそ、一人一人たき火をできるようになった。今回の団体活動では協力し合うことで、他の視点から見ないと気付かないことを伝え合い、知恵を出し合い、達成感を共有できた。個人活動の経験が生きていると感じた」。
佐々木姫芽(ひめか)さんは「風呂も店もない。料理はたき火。慣れない自然の中、不便を感じる生活を、みんなで工夫して過ごした経験は、名寄大学でなければできない。得るものがあった」と語る。
同大学同学科の三井登教授(学科長)は「コロナ禍での個人活動では、学生一人一人のたき火の技術などの力、制限の中で工夫して楽しむ力を磨くことができた。一方でコロナの制限が緩和され、宿泊付きのグループ活動を再開でき、活動の幅、深さが増し、何より学生同士の対話が増え、あらためてこの取り組みの大切さを確信した」と話す。

名寄新聞2023年6月30日 掲載 Web掲載日2023年7月3日
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