留萌~増毛間が廃止される 安全確保に数十億円の工事費試算も
国鉄分割民営化後、集客に向けて海水浴場付近での臨時駅設置、SLすずらん号、増毛ノロッコ号といった臨時列車も運行されたが、次第に乗客が減少した。さらに日常利用客も減少に歯止めが掛からず、廃止が取り沙汰されるようになった。
2015年(平成27年)5月下旬、JR北海道幹部が沿線自治体と非公式に接触し、留萌本線の全線廃止を打診した。15年8月10日、JR北海道は留萌市と増毛町に対し、特に利用客が少ない留萌~増毛間を16年度(平成28年度)中に廃止することを伝えた。
廃止の理由として、留萌~増毛間の輸送密度は1987年度(昭和62年度)に480人だったが、2014年度(平成26年度)には39人に減少するとともに、収支状況も13年度(平成25年度)の営業収入が700万円に対し、営業費用は25倍近くも要し、差し引き1億6千万円以上の赤字となっていた。
また、箸別~増毛間では融雪期に斜面から線路に流入した雪や土砂に、列車が乗り上げて脱線する事故が05年(平成17年)3月22日と12年(平成24年)3月7日の2回発生した。その他にも大雨などによる土砂崩れが発生している災害線区だったため、時折、徐行運転や運休をしていたことから、将来にわたって安全を確保するためには数十億円の防災工事費が必要と試算された。
留萌~増毛間では15年2月23日から4月28日まで、16年2月12日から4月27日まで、気温上昇によって雪崩の恐れがあるとして終日運休の措置が取られた。
さらに、留萌~増毛間には並行して路線バスが運行し、鉄道が1日上下13本に対し、路線バスは22本と多く、留萌市内の病院や高校まで運行され、沿線住民に利用されていることも廃止の理由に挙げていた。
16年4月8日、JR北海道は留萌~増毛間の最終営業運行日を16年12月4日とする意向を増毛町に提案し、増毛町は「生徒は全てバス通学となり、まちの過疎化で利用者は激減し、鉄道は地域の足としての機能を失った。観光には大きな痛手だが、受け入れざるを得ない」と廃止を受け入れた。16年4月18日には留萌市も「極度に利用の少ない路線で安全性を保つのは厳しい」として廃止に同意した。
16年11月3日から毎週土・日曜日と祝日、11月23日からは毎日、旭川~増毛間と留萌~増毛駅でそれぞれ1往復ずつ臨時列車を運行した。
16年12月4日、留萌~増毛間(16.7km)の最終営業運行となり、増毛駅でお別れセレモニーを開催した。翌5日に廃止、バス転換された。
一方、留萌幌糠ICまで開通していた深川留萌自動車道は13年3月16日に留萌大和田ICまで開通し、留萌市中心市街地の手前まで高規格道路一本で行けるようになった。
(続く)


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