下川商業高3年の山岡祥大君 難関の簿記能力検定上級に合格

下川商業高校3年の山岡祥大（やまおか・しょうた）君が、2月20日に実施された全国経理教育協会主催「簿記能力検定上級」（全経簿記上級）に合格。税理士試験受験資格となる検定で、道内の高校生での合格は山岡君のみ。全国の合格率も社会人を含め13・97％で、非常に難易度が高く、同校初の快挙となった。

山岡君は名寄市出身で、検定取得への手厚い補助制度がある下川商業高に進学。簿記・会計の学びが楽しくなり、1年の3学期に「税理士」を志すことを決意し、早めに進路を決めようと、担任で商業科の遠藤謙太教諭に相談した。 税理士の勉強に力を入れる群馬県の高崎商科大学では、日本商工会議所主催の簿記検定（日商簿記）2級を取得すると、同大学プロジェクトによる同1級を目指す講義が受けられ、同1級または全経簿記上級の取得で、学費全額免除の特待生試験を受けることができると知り、学費全額免除での同大学進学を目指して、勉強に励んだ。

昨年6月、日商簿記2級に合格。同7月から同大学プロジェクトの税理士や会計士によるウェブ講義（50～60時間×6段階）で勉強を始めた。 今年6月の同1級試験までの1年プランだったが、夢中で勉強して早い段階で習得。昨年11月に同1級受験を決めたが手続きが間に合わず、「次の6月試験まで待てない」と、今年2月の全経簿記上級を受験。400点満点中280点（7割正解）の合格ラインに対し、大幅に超える363点（9割正解）で、4月19日に合格通知を受けた。

勉強は平日7時間、休日16時間に及ぶこともあったが、「勉強はすごく楽しい。財務諸表は正確に処理されるときれいにそろう。講義で理論を学び、今まで計算してきたものが、脳に根付く感じがした」。全経簿記上級合格に「自信は半分だったので安心した」と言う。 6月に日商簿記1級も受けるが、全国の模擬試験では大学生に混ざって常に上位。8月には、税理士試験のうち「会計学2科目」（簿記論と財務諸表論）、12月に会計士試験（短答式）にも挑戦する。「大学進学後もやりたいことがある。グローバル化に通用できるよう、経済を勉強したい。今からできることは、やっておきたい」と話す。 なお、各試験会場は日商が名寄、全経が旭川、税理士などが札幌となっている。