夢破れた全線開業~旧国鉄美幸線の軌跡 特別編 美深・歌登町営軌道 美幸線着工前に活躍 住民の足や木材運搬など
国鉄美幸線の着工前や開業前、美深町内と歌登町内には町営軌道が敷かれ、住民たちの足、木材や農畜産物の運搬などで活躍していた。 美深では1935年(昭和10年)6月19日、美深~仁宇布25線間(21.396km)に「仁宇布殖民軌道」が開通。44年に仁宇布25線~30線間(3.660km)が延長された。
運営は当初、沿線地域の殖民軌道実行組合だったが、42年3月13日から道営の「仁宇布森林軌道」となった。 動力も当初は組合員所有の馬でけん引させる「馬鉄」だったが、42年から蒸気機関車(戦後はディーゼル機関車)が導入され、スピードアップした。
戦後の49年(昭和24年)、支線の幌内越線(4.007km)を新設。50年に29線支線(1.365km)を新設し、51年に延伸した(2.015km)。 また、51年に27線支線(2.1km)を新設。52年には本線の30線から延伸した(0.519km)。
54年の「洞爺丸台風」による風倒木処理などでも活躍したが、計画伐採が終わった55年ごろから支線の利用が減少。軌道は軽量レールを使用していたため、労働安全衛生規則に抵触し、木材輸送の停止命令を受け、56年9月で森林軌道は廃止された。木材輸送はトラックに転換した。 ただ、仁宇布地区へ唯一の交通機関であったため、本線のみを残し、57年(昭和32年)4月から美深町で直営し「美深町営軌道」となったが、美幸線の着工により路線が競合する個所が出たため、62年秋で運行終了、63年(昭和38年)3月4日に廃止となった。
一方、歌登では29年(昭和4年)12月1日、小頓別~歌登間(19.053km)に「枝幸殖民軌道(枝幸線)」が開通。30年9月2日に歌登~枝幸間(16.150km)を延長し全通した。 33年11月10日、支線の志美宇丹線(歌登~志美宇丹間、12.548km)、35年8月1日には本幌別線(上幌別12線~本幌別27線間、10.025km)も開通した。
運営は当初、沿線地域の殖民軌道利用組合が当たっていたが、枝幸線(35.2km)は32年7月10日、道営となった(志美宇丹線、本幌別線は利用組合で運営)。 動力も当初は馬鉄だったが、33年から枝幸線でガソリン機関車(戦後はディーゼル機関車)を導入した(志美宇丹線、本幌別線は馬鉄で運行開始)。
戦後の48年(昭和23年)7月10日、道は運営から離れ、沿線地域の軌道運行組合へ移管された。 49年8月、枝幸線の歌登~枝幸間が運行中止となり、歌登線と改称し、50年8月にレールが撤去された。50年、本幌別線が運行中止された。

しかし、地域運営では経営が苦しく、51年(昭和26年)12月1日から歌登村が直営し「歌登村営軌道」に。62年1月1日に町制が施行され「歌登町営軌道」となった。 志美宇丹線は、施設老朽化により56年から運休。62年から国費で路盤整備や木橋の鉄橋化、レール交換などの改良工事が行われ、66年6月15日、気動車導入により運行再開したが、68年6月から美幸線の歌登~志美宇丹間の建設工事が開始され、計画ルートと重なったため、日本鉄道建設公団からレール撤去を要請されていた。 さらに、道路整備や自動車増加に伴って町営軌道の利用が減少し、累積赤字が増大していたため、志美宇丹線は68年12月20日で運行終了し、69年5月31日に廃止。歌登線も70年10月31日で運行終了し、71年(昭和46年)5月10日に廃止された。70年度には累積赤字が6500万円ほどに上り、道から融資を受けて10年間で返済した。
なお、殖民軌道とは道北や道東で数多く存在していたもので、道路が整備されていなかった時代、開拓を促進させることを目的として、簡易なレールを敷設することで開通させ、人や物の輸送に貢献していた。 美深町内では町営軌道に代わって美幸線が64年(昭和39年)10月5日に仁宇布まで開業し、新たな足となったが、歌登町内では町営軌道を廃止させて美幸線の建設工事が進められるも、79年(昭和54年)から工事が凍結されて開業することはなく、町民たちは落胆し、無念さが広まったのである。


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