「手ぶくろを買いに」新見南吉 作 黒井健 絵
私は大学図書館に勤務しながら通信教育で司書資格を取得した。その時の必修科目「児童サービス論」で、「好きな絵本に対する、子どもの頃の印象と現在の印象について述べよ」のような課題が出され、新見南吉の『手袋を買いに』について書くことにした。
小学校の国語の教科書で読んだのが最初だった。雪の中を駆け回る子ぎつねの手がしもやけにならぬよう、町に手袋を買いに行こうと考えた優しい母ぎつねが、町へ近づくと、怖くて動けなくなり、子ぎつねに一人で手袋を買いに行かせたことが、当時、どうにも理解できなかった。今読み返せば、母ぎつねの気持ちが理解できるのではと思ったからである。
図書館に絵本を探しに行くと、偕成社の『手ぶくろを買いに』(日本の童話名作選)があった。優しいタッチの黒井健の絵が自分の中のイメージにぴったりだった。そして、当時残酷にも思えた母ぎつねの行動を、違和感なく優しい気持ちで読むことができた。時を経て大人になったから理解できたのか、絵が想像力を掻き立て理解できたのか。いずれにしろ、私が絵本の魅力に取りつかれるきっかけとなった1冊である。
偕成社(日本の童話名作選)、1540円、1986年発刊。
(田端路代・名寄市立大学図書館司書)
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