名寄市・東小で防災体験教室、豪雨や水圧の恐ろしさ実感、水害から身を守る方法など学ぶ
【名寄】
市主催の「防災体験教室2023」が、11日午前8時20分から名寄東小学校(民輪伸幸校長)で行われ、児童がさまざまな体験プログラムを通じ、水害から身を守る方法などを学んだ。
同教室は、旭川開発建設部名寄河川事務所の共催。名寄消防署、市内在住の防災マスターなど合わせて約30人が協力。防災・減災行動について「自ら考え判断できる能力」や「想像力」を身に付けてもらうことを狙いとし、道による小学校での「一日防災学校」と連携して行われた。
開会式で橋本正道副市長が「名寄の災害は、大雨による河川の氾濫が最も危険であると考えている。災害について正しく理解を深めてほしい」と挨拶。
同教室は東小の全校児童を対象に、学年ごとの入れ替わりで、段ボールベッド組み立て、非常持ち出し品、装備品展示、降雨体験など六つのプログラムを体験。
段ボールベッドの組み立てでは、段ボールを箱型に折って、強度を上げるための段ボールを中に入れた後、ガムテープで止めて作り、6つ並べると完成。児童がベッドに腰を掛けたり、寝転がったりしながら、強度が十分にあることを確認。
また、膝や肘が曲げにくくなるバンドを装着し、高齢者や身体が不自由な人の感覚も疑似体験。床に毛布だけを敷いた場所と、段ボールベッドで寝起きし、ベッドの方が楽なことを実感。
装備品展示では、ボートやドライスーツといった水難救助資機材の展示や、胸骨圧迫、AED(自動体外式除細動器)などの方法も学んだ。
また、○×クイズ形式で、災害が予想される大雨時の避難方法などにも理解を深めた。
屋外では、降雨体験と地下浸水体験を用意。雨具や長靴を着用し、専用の装置に入り込み、1時間に80mm以上という猛烈な雨を体感。児童は経験したことない大雨に笑顔を浮かべながらも、身を縮めながら耐える姿が見られた。また、地下浸水体験では、地下空間が浸水した際、水圧の影響で扉の開閉が困難になることを体験。1、2年生の児童は、水深15cmでは開けられた扉が、25cmになると全く開かなくなり、驚きの表情を見せていた。
名寄新聞2023年7月15日 掲載 Web掲載日2023年7月15日
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