背中に十文字の模様を持つ「十字ギツネ」撮影成功

背中に十文字の模様を持った「十字ギツネ」が、上川北部地域で目撃されている。警戒心が強いため、人前には現れにくいが、このほど、名寄市内在住の村田貴久さんが撮影に成功した。

「十字ギツネ」は、かつてキツネの毛皮が高値で売買されていたころ、千島列島などから養狐場に持ち込まれたキツネの子孫といわれている。 特に「十字ギツネ」は、背中の部分に美しい十文字の模様を持っており、きれいな模様を出すため、キタキツネと「十字ギツネ」の交配も行われた。 その影響で「十字ギツネ」は本来の真っ黒な毛色に加えて、キタキツネのように明るめの毛色など、さまざまな個体が確認されている。 次第に毛皮が売れなくなり、養狐場が衰退すると、養殖されていたキツネが野山に放され、野生化して交配を繰り返し、現在も生き延びている。 警戒心がかなり強いため、人前には現れることは少なく、人の姿を見掛けると足早に逃げるとのこと。

撮影に成功した村田さんは「冬に十字ギツネを見つけ、撮影の機会を逃しましたが、初夏に再会を果たし、さらにそのパートナーと子どもたちにも会え、子育てをしていることを知った時には感動しました。子どもたちも4匹中3匹が十字ギツネで、元気に育って、またその子どもたちの姿を見せてほしい―と願っています」と語っていた。