日本最北のビール工場から~美深白樺ブルワリー 第5話
製造しているビールの数々を紹介
こんにちは。今回は弊社で造っているビールの紹介をしていきたいと思います。
美深白樺ブルワリーの代表作として一貫して作り続けているのは「WHITE LINES」という名前の、IPAと呼ばれるビールです。IPAとは「India Pale Ale」の頭文字を取った言葉で、18世紀、まだインドがイギリスの植民地だった頃、インドに住むイギリス人にビールを送るため、防腐剤となるホップを大量に入れたビールを作り始めたことが名前の由来となっています。ホップ由来の苦味と香りが強いことが特徴のビールなのですが、現在の人々の嗜好に合わせた、苦味の少ないIPAも多くなっています。
クラフトブルワリーとして自社を代表するIPAを作ることは、自家焙煎の珈琲屋さんが自社ブレンドを作るのに似た緊張があるような気がします。多くの人が私たちのビールに触れる入り口になる
ものだから間口は広くしておきたいし、それでいて自社の特徴とこだわりも織り込んだものにしたい。そのバランスを考えながら、仕込みの度に改良を加えています。
WHITE LINESは、直訳すれば「(複数の)白い線」といったところで、道北の白い線といえば立ち並ぶ白樺の林。白樺の樹液を副原料に使って醸造している私たちのビールの代表として、スタンダードとなる一杯です。
WHITE LINESと並ぶ代表作として作り続けているのが「Wild Sheep Chase」。美深町仁宇布地区が舞台になったと言われる、村上春樹の小説「羊をめぐる冒険」の英訳版タイトルから名前をお借りした、Hoppy Cream Aleというスタイルのビールです。Hoppyはホップを多く使って香りを強調しているという意味。またCream Aleといっても本当にクリームが入っている訳ではなく、出来上がったビールの口当たりの柔らかさからそう呼ばれるスタイルです。Wild Sheep Chaseではその柔らかさに加え、パイナップルのような香りと飲み後の爽やかさを兼ね備えた味わいを目指しています。
そして黒ビールの「夜あそび」。こちらはOatmeal Milk Stoutというスタイルで、Stoutは英語で「強い」という意味を持ち、ビールのスタイルに使われる際には黒ビールの一種としての意味を持ちます。前についているOatmealはオーツ麦、Milkは乳糖のことで、オーツ麦の芳醇さと乳糖の柔らかな甘みを加えた黒ビールです。黒ビールと聞くと敬遠される向きもあるのですが、美深にお住いの方々は黒ビールを気に入って飲んでくださっていて、おかわりしやすいよう、アルコール度数も4・5%に抑えています。
ここまでご紹介した3種類が弊社の代表作として作っているものたちで、準代表作として作り続けているものが「トイタピウカ」「風和」の2種類。トイタピウカは「美深で農作業をする人」という意味のアイヌ語で、農作業で疲れた後の一杯目にスッキリ飲んでもらいたいと思って作ったFarmhouse Aleというスタイルのビール。風和は湖をカヌーで行く時に感じる柔らかい風をイメージした、スッキリさと柔らかさをバランスよく合わせたHoppy Wheat Aleというスタイルです。
そして「Rising Sun」。オホーツク海に面する雄武町の日の出をイメージしたGolden Aleというスタイルのビールで、オホーツクに登る朝日の微妙な色合い、赤と橙の中間の燃えるような色を表現しています。
また最近始めたSingle Hopシリーズがありまして、これはビール造りに使うホップを一種類に絞り、そのホップの特徴をはっきり見てみようという試みです。これまで「El Dorado」「Idaho7」「Amarillo」の3種類で試してきました。それぞれの味わいが際立って、普段は気づかない味わいの面白さを見ることができて、作り手としても楽しい試みです。
ホップの話が出ましたのでその方面で続けると、美深町内の方に育ててもらったホップを使ったビールや、和寒町、東神楽町のホップを使ったものにも挑戦しており、それぞれの風土を活かした
ビール作りのため、多くの方の協力に助けられながらビール造りに励んでいます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。美深白樺ブルワリーの連載も来週が最終回となります。最後までお付き合いいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。
(株式会社美深白樺ブルワリー・名寄新聞社通信員・野崎知真) 株式会社 美深白樺ブルワリー 関連記事はこちら
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