日本最北のビール工場から~美深白樺ブルワリー 第4話
ビールをおいしく飲んでもらうために
こんにちは。今回は貯酒を終えたビールの樽詰め工程から見ていきたいと思います。タンク内での貯酒時間を終えたら、新たなビールを仕込むため、ステンレス樽へとビールを移します。この時、ビールの品質を保つために、できる限りビールを空気に触れさせず樽へ移します。移送中だけでなく樽に注入される時にも空気に触れないよう、樽を洗浄する際に樽内にも炭酸ガスを注入して空気の入っていない状況を作ってあります。
弊社では15Lと10Lの樽を持っており、お客様の要望を考えながら樽のサイズと数を決めます。また、もしこの時に瓶ビールの予約注文をもらっていれば、タンクから直接、瓶詰めを行うこともできます。樽に詰めると使用後に樽の洗浄をしなければならなくなるので、瓶に詰めてすぐ出荷できれば手間が省けるメリットがあり、しかし弊社のビールは賞味期限を60日に設定しているため瓶に詰めた途端、賞味期限のカウントダウンが始まってしまうというリスクもあり、ほとんどの場合はタンクから樽、樽から瓶、という風に段階を踏んで瓶詰めを行なっています。
ビールを詰めた樽は冷蔵庫で保管し、注文が入れば出荷、瓶ビールの在庫が必要になればその都度瓶詰めを行います。瓶ビールは330mlのガラス瓶で販売しており、15Lの樽から大体40本強の瓶ビールができます。詰めた瓶はすぐに冷蔵庫へ。品質が劣化しないよう、冷蔵庫の中で賞味期限シールを手貼りしていきます。弊社は商品ラベルも手貼りなので仕事の隙間時間に音楽を聴きながらチマチマ張っています。
去年の夏は社長宅の玄関の外に机を置いてラベルを貼っていたのですが、通りがかりの方に差し入れでアポロ(チョコレートのお菓子)をいただいてポリポリかじりながらペタペタやっていました。そこを学校帰りの子供達が通りがかり、えっアポロじゃん、うわ、アポロ持ってんじゃん、ざわざわする子供達の目線が痛い、しょうがないので「食べる…?」と声をかけると一斉に手を出す子供ら。こんなところでシール貼ってる知らない大人に、簡単にお菓子で釣られちゃいかんよ…と思いつつみんなに3粒ずつくらいあげていたら箱はほとんど空っぽに。 私の美深生活最初の夏はアポロの思い出とともに始まったのでした。
脱線しました、話を戻しましょう。
瓶でも樽でも、配送の際はチルド便で送ります。ここまで見てもらってわかる通り、私たちのビールには殺菌やろ過の工程がなく、直射日光に長時間当たったり、冷蔵保存が行われなかったりするとすぐに品質が悪化してしまうため、レストランさんや酒販店さん、個人の方に対しても、要冷蔵でお早めにお飲みください、とお伝えしています。 おいしく造ったものを、おいしく飲んでもらう。それを達成するには、温度や光の有無といった小さな違いが大きくものを言います。こういう仕事をするようになってからスーパーや酒販店を覗くたび、つい売り場の環境を見てしまうようになりまして、しっかりと冷蔵で、かつポップなんかも芯を捉えた言葉で書いてあると「このお店はお酒を大事に扱っているなぁ」と思って勝手にうれしくなったりしています。
いかがでしたでしょうか。この他にも、ビールレシピの製作やそれに合わせた原料の発注、酒類製造にかかる書類作成など細かな仕事はいくつもあるのですが、根幹となるビール造りについてはだいたいのところがお話しできたと思います。私たちは現在、月に5~7回程度仕込みを行っていますが、これからさらに業務の効率化を進めて、一人一人のできることもシェアしながら、さらに良いビールを皆さんにお届けしていきたいと思っています。次回は私たちの造っているビールのいくつかについてお話しして、その背景や目指すところをお伝えできたらとお思います。どうぞよろしくお願いいたします。
(株式会社美深白樺ブルワリー・名寄新聞社通信員・野崎知真) 株式会社 美深白樺ブルワリー 関連記事はこちら
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