2023年の下川町議選 町民と和をもって再興へ 新人・田村氏が無投票当選
【下川】
18日、下川町長選挙は、新人・元町政策推進課長の田村泰司氏（58）が無投票で初当選を決めた。田村氏は午前10時から選挙事務所（西町、旧横山商店）前で出陣式を行った後、町内を巡りながら「基幹産業の振興と定住政策を軸とし、町民の心を一つに和をもって、持続可能な地域を創る。下川を再興し『いのち・人・森・大地が光り輝くまち』にしていきたい」と熱い思いを述べた。 出陣式に先立ち、事務所神前で必勝祈願祭。高橋裕明後援会長が「いよいよ戦いの日が来た。田村氏は豊富な行政経験、人格・見識共に優れ、町長の最適任者と確信。田村町長誕生を信じ、皆さんと必勝祈願したい」と挨拶した。田村氏は神棚のダルマに墨で眼を入れ必勝を願った。 出陣を控えた田村氏は多くの支持者が集まる中、「昨年12月の立起表明から、たくさんの皆さんに支えていただき、この日を迎えることができた。皆さんに応えられるよう、全力を尽す。人口減少、少子高齢化、定住施策、子育て・教育、医療、介護、福祉、産業振興などやらなければならいことはたくさんあるが、基となるのは総合計画の着実な施策実施と財政の健全化、町民にわかりやすい情報提供による町民参画の町政。選挙運動を通じ、私の政策を訴えていく」と誓った。 鷲見敏明選対本部長は出陣式で「みんなと気勢を上げたい」と述べて音頭を取り、田村氏や後援会、集まった支持者と「エイエイオー」と掛け声を発し、田村氏を見送った。 田村氏は選挙カーで町内を巡って遊説を行い、役場前と商店街で街頭演説も行った。 役場前では職員にもメッセージを伝えた。「住み続けたいと思うまち、住み続けられるまちの実現のために、最前線で頑張る役場職員の力が必要。住民サービスをより向上させるためには、職場のコミュニケーションや情報の共有、所属間の連携など、より良い職場環境に改善し、職員のやる気や能力を最大限に発揮できることが重要。町民にとって明るく入りやすくい、相談しやすい役場を実現したい」と訴えた。 当選が決まると「心を新たに、公約の実現に向け、努力する」と語った。 優先的に進める重点項目では地域課題解決に向け「職員との意思疎通、意識の共有を図り、早期に組織機構の見直しに着手したい」。基幹産業の振興に「地域の担い手、人材確保、事業承継などの具体的な情報収集や議論を進めたい」。子育て支援策の充実に「子育て世代の意見を政策に反映する話し合いの場を設置したい」。地域包括ケアシステムの構築に「医療、福祉、介護の連携、協議の場を設置し、議論したい」。町民と共に進めるために「住民主体の話し合いの場への職員の参加、町民と職員の合同研修などを設定したい」と述べる。 田村氏は１９６５年１月に下川町生まれ、名寄高校卒業。１９８３年４月に下川町役場に就職した。２００２年に総務省自治大学校卒業。行政評価と総合計画見直しのマネジメントサイクル、グループ制導入による組織機構改革を提案し、策定に携わった他、病院の電子カルテやＣＴなど設備充実、改革プラン策定に取り組んだ。ＳＤＧｓ未来都市認定にかかわるなど、さまざまな業務を推進。町の繁栄と衰退、再興を肌で感じてきた。 町で多くの課題を抱える中、現状に危機感を持ち、昨年12月14日に退職。自ら町政の先頭に立って地域課題解決に挑むため、翌日町長選へ立起表明した。他の立候補者は現れず、初当選した。 戦後１９４７年以降、20回の選挙で、町長選無投票は、11回目となった。