経済活性化や雇用創出へ支援　地域課題解決へ精力的に取り組む

統一地方選挙前半戦の道議選名寄市区（定数1）は、現職の中野秀敏氏（66）が、無競争で4選目の当選を果たした。課題が山積する道政、名寄市政において、今後の抱負や各種課題に対する考え方を聞いた。

Q.4期目に向けての抱負。

中野 世界が不透明感を増す中で、我が国を支える北海道の一次産業への注目がこれまで以上に集まっています。

中でも農業は、日本の食料安全保障をリードする存在として期待されています。

人口減少や高齢化など、乗り越えなければならない課題は山積していますが、持続可能な北海道農業の確立に向け、さらに取り組みを強化していく決意です。

一次産業はもちろん、地域の課題解決に精力的に取り組み、地元加藤市長と、より一層連携を深め道北そして北海道の確かな未来を切り拓くために、全力で取り組んでまいります。

Q.物価高騰に対する生活支援や事業所支援の考え方。

中野 本道においては、エネルギーや原材料等の価格高騰の影響が長期化しており、今後、電気料金の値上げも予定され、道民生活や中小企業の経営環境が一層厳しくなることが懸念されています。

こうした状況において、私としては、これまで、地域でお伺いした様々な声や支援ニーズを道政に反映すべく、同僚議員などとともに北海道議会において議論を積み重ね、生活が厳しい方々、子育て世帯への支援や需要喚起、食料・原材料等の国内原料への切り替え、さらには、中小・小規模事業者の競争力強化などの施策を実現したところです。

今後とも、道民や中小企業の立場に寄り添い、真摯に耳を傾けながら、先行きが見通せない中で、不安を抱える道民の暮らしや事業者の経営への影響が緩和されるよう全力を尽くし、本道の社会経済活動の回復に貢献してまいる所存です。

Q.名寄高校、名寄産業高校再編統合に伴う学校跡地の活用や新名寄高校の間口維持への考え方。

中野 道教委では、廃校とした道立学校の利活用にあたり、「①道における活用」、「②市町村における活用」、「③民間における活用」といった順で利活用希望の有無を確認し、未利用財産の活用に向けた検討を行うものと承知しています。

名寄産業高校については、光凌キャンパスと名農キャンパスを合わせて60haを超える広大な敷地面積を有していることから、利活用のニーズも一定程度想定されると考えており、廃校校舎等の有効活用が図られるよう努めてまいります。

今後、継続的に入学者の確保を図っていくためには、生徒や保護者の多様な進路ニーズに対応できる高校となることが重要です。

再編統合後の名寄高校には、教員配置数が手厚くなる「単位制」が導入され、生徒の実態に応じた柔軟な教育課程の編成が可能となることから、単位認定に関する名寄市立大学との連携、コミュニティ・スクール導入による地域に開かれた学校運営などに取り組むと承知しており、生徒に選ばれる高校となるよう、名寄高校のさらなる魅力化を求めてまいります。

Q.王子マテリア名寄工場跡地の活用で、民間活用の推進に対する支援の在り方。

中野 王子マテリア（株）名寄工場跡地の活用については、これまで道や名寄市、地域の経済団体などが一体となり、王子グループに周辺エリアの地域資源や特性を活かした新規事業検討の協力を要請してきました。

その成果の一つとして、JAG国際エナジー（株）（現：（株）エネウィル）より、地域材を活用したバイオマス発電事業が提案され、事業開始に向け準備が進められており、道では、支援策について情報提供を行ってきたと承知しております。

また、名寄市は、道主催の企業誘致セミナーに参加し、関係企業との情報交換を行うなど、積極的に地域の魅力を発信するとともに、工場跡地での投資意欲を早期により一層喚起することを目的に、令和4年9月、工場跡地の活用について補助率のかさ上げ、上限額の引き上げなど、支援の拡充を行ったところです。

私としては、こうした新たな支援に加え、道や名寄市、関係機関が連携し、地域経済の活性化や雇用創出に繋がる取り組みを引き続き支援していくことが重要と考えています。

Q.高速道路の整備推進についての考え。

中野 高規格道路は、広大な北海道にとって、観光や物流といった経済活動はもとより、緊急搬送や災害時の緊急輸送を担う安全安心な暮らしには欠かせないものです。

北海道縦貫自動車道は士別剣淵・名寄間で整備中であり、また、音威子府バイパスが令和7年度に開通見込みと着実に整備は進んでいる一方で、最北端の稚内まで繫がっておらず、美深北・音威子府間など3区間のミッシングリンクが残っている状況です。

高規格道路が繫がることで、迅速かつ安定した輸送が可能となり、地元名産のアスパラガスの価値向上や販路拡大が期待され、また、労働時間の上限規制がはじまる「2024年問題」を抱える運送業界にとっても労働時間短縮といった効果が期待されます。

このように、高規格道路は地域の暮らしや産業の発展を支える社会基盤であると認識しておりますので、現在事業中の士別剣淵・名寄間の早期開通など高規格道路の整備促進にしっかりと取り組んでまいります。

Q.基幹産業である農業の振興策について。

中野 北海道は、豊かな自然と広大な土地資源を活かし、大規模で専業的な経営体が主体となった生産性の高い農業が展開され、地域の社会経済を支える基幹産業として重要な役割を担っています。

こうした中、ロシアのウクライナ侵略など、国際情勢の変化に伴い、食料安全保障に対する国民や道民の関心が高まる中、我が国最大の食料供給地域である北海道農業への期待と役割はますます高まっています。

そのため、まず、国内で生産できるものはできるだけ国内で自給することを基本に、農業生産基盤の整備やスマート農業などを推進することにより、農業の生産力と競争力を強化していくことが重要と考えます。

一方で、名寄市の主力品目である米や生乳は、需給が緩和していることから、こうした品目の消費拡大はもとより、ブランド力の強化を進めることに加え、チーズなど輸入依存度の高い品目の道産への置換えを促進していくことが重要であり、これらの取組を総合的に推進し、若い担い手が地域農業のあるべき姿をしっかりと描きながら未来を見据えてチャレンジしていけるよう、北海道の農業・農村の振興に全力で取り組んでまいります。

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